沖縄の公立大学 名桜大学(沖縄県名護市)

研究コラム(つながる、つなげる教員の輪)研究

「ワザ」や「コツ」に科学の「眼」

石橋 千征/人間健康学部 スポーツ健康学科/掲載日:2012年10月


ワザ」や「コツに科学の

石橋 千征(人間健康学部 スポーツ健康学科 助教)

 私の専門分野はスポーツ心理学です。その中でも、運動の学習と制御という分野である、スポーツ選手を対象とした「うまくなる」、「うまくさせる」ためにはどうすればいいのかを研究しています。最近開催されたロンドンオリンピックにて、トップアスリートの人間離れしたパフォーマンスをご覧になり、感動した方も多いのではと思います。では、なぜヒトは感動を呼ぶパフォーマンスを、オリンピックのような舞台で発揮することができるのでしょうか。そこには、私が専門とするスポーツ心理学の世界が大きく関わっているのです。

 トップアスリートは、狭い空間や一瞬という時間、つまり制約された環境下においてでも、優れたパフォーマンスを発揮できます。なぜならトップアスリートは、「ワザ」や「コツ」といわれる非言語的・包括的な知能を獲得しているからです。このようなヒトの振る舞いは、モーター・ビヘイビア(Motor Behavior:運動行動)と呼ばれます。そこで私は、このモーター・ビヘイビアに潜むヒトの持つ「ワザ」や「コツ」について、科学的な「眼」を用いて、定性的および定量的に評価を行っています。具体的には、ビデオカメラやハイスピードカメラの映像を用いて動作解析し、アスリートの動力学的特性を分析します。またゲーム分析などにより様々な人間の行動を分析する他覚的評価手法に、スポーツ心理テストをはじめ、ME法やSD法などの主観的評価手法を組み合わせた調査をしています。得られた研究成果は毎年海外の学会で発表しています。

 スポーツ選手だけではなく、ヒトが獲得した様々な「コツ」や、伝統芸能の「ワザ」の伝承にも興味がありますので、興味のある学生は研究室のドアをノックして下さい。

2012年10月


2012年度北米スポーツ心理学会ハワイ大会にて

石橋千征(いしばし ゆきまさ)
 1977年生まれ。福岡県出身。スポーツ健康学科助教。男女バスケットボール監督。バスケットボール一家に育ち、趣味も仕事もバスケットボール。バスケットボールの盛んな沖縄に赴任し、更にバスケットボール漬けの毎日。

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