沖縄の公立大学 名桜大学(沖縄県名護市)

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国際学群・経営関連科目と名護市特定非営利活動法人NDAとの連携事業の取組みの紹介

掲載日:2018年2月19日お知らせ

 経営専攻では、平成26年度より、名護市特定非営利法人NDA(以下、NDA)との企業招聘セミナー等広報イベント事業『金融人材育成講座』を関連講義の中で導入し、連携事業を進めてきています。平成29年度は多彩なゲストをお招きする機会をいただきました。これまでの連携事業について紹介いたします。
 初年度の平成26年度及び27年度は「経営特別講義」(2年次から受講対象)において、企業からの課題をいただきグループ別に取り組む課題解決型の授業で連携を始めました。協力いただいたのはNDA、名護市の経済金融活性化特別地区に進出されている株式会社S.O.Wでした。初年度は「特区の情報パンフレット作成について」(NDAテーマ)と「北部にある魅力的な物件(投資対象として)を見つけ出す」(S.O.Wテーマ)、27年度は「沖縄県内の5社の企業分析(業界、業績・財務状況など)をもとに、3つのシナリオを導く」(S.O.Wテーマ)という課題でした。企業からの課題は、実際の現場での課題でもあり、それらに対して直感的な発想だけではなく客観的かつ事実関係に基づいた裏づけから物事を読みといていく力の重要性を学ぶことが出来ました。
 平成28年度は「ベンチャービジネス」(2年次から受講対象)、平成29年度は「簿記原理」(1年次から受講対象)、「経営分析論」(3年次から受講対象)も対象とした連携を進めています。これらの講義では、テーマを基にした課題解決型の授業としてではなく、各科目のなかで、多彩なゲストをお招きしご自身の専門的な立場から教授いただく形式を取りました。学生らには、大学での理論ベースでの学びと、企業現場の実践ベースでの活動を、ゲスト(専門家)から直接教授いただくことで新たな知見の修得や今後の学ぶ意欲の刺激になると考えています。
今後もNDAのご協力のもと、より実りの多い学びになるように連携事業に取り組んでいきたいと思います。
ブルームーンパートナーズ(株)代表取締役/CEO伊波貢氏の講演
 
 平成29年度の具体的な講義内容は以下のとおりです。
「現場での数字の見方・考え方」講義日:平成29年10月4日(木)
 「経営分析論」では、主に企業が公表する財務諸表の数字を用いて、企業の経営活動の良否を、収益性・安全性・成長性・生産性の観点から分析する手法を学んでいます。ReHug株式会社代表取締役の本永敬三氏には、公認会計士・税理士のご経験から、「多くの経営のしくじり事例から見えてきた企業の真実を写す鏡」と題して、企業のビジネスモデル、会計の役割、貸借対照表・損益計算書等についてをユニークに分かりやすく講話していただきました。また、「商い」している商品・サービスが顧客にとって「飽きない」になるコツとして、常に感謝の気持ちを表現する行動をとり続けることにより、自分自身で「実現・解決」できない課題を生じさせているとりわけ強い原因を取り除くことができる。こうして提供した製品・サービスが「飽きない」ものになっていくと力説されました。
「会計プロフェッションの役割」講義日:平成29年11月9日(木)
 経営専攻の専門科目の基礎として1年次で学習する簿記において、会計のいわゆるプロフェッショナルとして国内外の監査法人で活躍する公認会計士の方(副島氏、洞氏、熊谷氏、松茂良氏、安達氏)に、公認会計士の役割や業務、グローバルに生きるための力、大学生活の中ですべきことを中心に講話していただきました。グローバルに生きるためには、英語力、会計力、異文化対応力が必要であり、大学生活では、海外インターンシップやUS CPA(米国会計士)・BATIC(国際会計検定)への挑戦、外国人との交流が有効であることを強調されました。
公認会計士のプロフェッショナルが語る監査とは 興味深々に聴講する受講学生
    
  
「沖縄から台湾への進出について」講義日:平成29年12月14日(木)
 今学期の「経営特別講義」のテーマである「グローバルビジネス」の事例紹介として、2015年から台湾に現地法人を設立し、飲食店を展開する有限会社レコ琉球(居酒屋「秘密基地餐廳」)社長の百田行宏氏に、台湾進出の経緯と台湾でビジネス展開する上での現状と課題、仕事で重要なこと等について講話していただきました。
 百田氏が台湾を進出先とした理由は、タイやインドネシア等と比較してインフラや法制度が整備されていること、経済成長に伴う中間所得層の増加、親日、勤勉という国民性、飲食店における利幅の大きさなどであったとのことでした。台湾で日本の大手飲食チェーン(居酒屋)がビジネス展開する中、百田氏は、それらの地元競合店のサービス内容などを実際に利用し情報収集することで「差別化」を図っています。例えば、現地では珍しい時間無制限の飲み放題やDIYと称した利用者自身でたこ焼きを作ってもらうサービスは、いずれも特徴的であり人気があると紹介しました。また、同社が立地するビジネス街にある高級飲食店や他の居酒屋に対抗するために「低価格戦略」をとっているとのことでした。このように、百田氏には日本・沖縄の居酒屋のビジネスモデルをベースとしながらも、台湾の市場に合わせてローカライズを進めている沖縄の中小企業の実践例を分かりやすく説明していただきました。
百田氏(左端)によるグローバルビジネスの現状と課題 グローバル展開ってなに?耳を傾ける受講生
            
   
報告:仲尾次洋子教授・林優子上級准教授(経営情報教育研究学系)

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