現実空間(リアル)の情報を IoTやAIで集め、仮想空間(バーチャル)で現実空間を再現するデジタルツインの技術が注目されています。私たちの生活をより便利に豊かにするデジタルツインの技術。その一端をご紹介します。
私たちの普段の生活において身近なものになりつつあるスマートホームでは、スマートスピーカーやスマートライト、スマートセンサーなどのデバイスにより、現実空間の情報を収集し、仮想空間で制御や監視を行います。
例えば、スマートライトはリアルタイムで照明を調整し、スマートスピーカーは音声コマンドを受け付けて家電を操作します。また、街の交通システムでは、デジタルツインを活用して渋滞予測や交通制御を行います。リアルタイムの交通データを収集し、仮想空間でシミュレーションすることで、効率的な交通管理を行ったり、事故発生リスクの予測に役立てるなどが可能です。デジタルツインは自然災害の対応にも役立ちます。都市のモデルを仮想空間で再現し、避難計画や災害時のシミュレーションを行うことで、安全性を向上させることができます。
普段の生活空間とは異なる海の世界においても、デジタルツインの技術は活躍します。沖縄の海産物であるもずくや魚の養殖を、水温や照度などのデータをもとにした数値シミュレーションにより効率化することが可能となります。
またサンゴ礁などの海中生物の生態調査や海洋資源の探索、ダイビングなどのマリンレジャーでの安全管理などの分野においても応用が期待されています。
このようなデジタルツインを実現するためのIoTやコンピュータネットワーク、エッジコンピューティングやシステム開発などの技術と、その応用に関する研究を行っています。
鈴木 大作(国際学部 国際文化学科 教授) 【人物紹介】 |