沖縄の公立大学 名桜大学(沖縄県名護市)

研究コラム(つながる、つなげる教員の輪)研究

リアルとバーチャルの境界線はどこに?

鈴木 大作/人間健康学部 健康情報学科/掲載日:2024年6月

 現実空間(リアル)の情報を IoTやAIで集め、仮想空間(バーチャル)で現実空間を再現するデジタルツインの技術が注目されています。私たちの生活をより便利に豊かにするデジタルツインの技術。その一端をご紹介します。
 私たちの普段の生活において身近なものになりつつあるスマートホームでは、スマートスピーカーやスマートライト、スマートセンサーなどのデバイスにより、現実空間の情報を収集し、仮想空間で制御や監視を行います。
 例えば、スマートライトはリアルタイムで照明を調整し、スマートスピーカーは音声コマンドを受け付けて家電を操作します。また、街の交通システムでは、デジタルツインを活用して渋滞予測や交通制御を行います。リアルタイムの交通データを収集し、仮想空間でシミュレーションすることで、効率的な交通管理を行ったり、事故発生リスクの予測に役立てるなどが可能です。デジタルツインは自然災害の対応にも役立ちます。都市のモデルを仮想空間で再現し、避難計画や災害時のシミュレーションを行うことで、安全性を向上させることができます。
 普段の生活空間とは異なる海の世界においても、デジタルツインの技術は活躍します。沖縄の海産物であるもずくや魚の養殖を、水温や照度などのデータをもとにした数値シミュレーションにより効率化することが可能となります。
 またサンゴ礁などの海中生物の生態調査や海洋資源の探索、ダイビングなどのマリンレジャーでの安全管理などの分野においても応用が期待されています。
 このようなデジタルツインを実現するためのIoTやコンピュータネットワーク、エッジコンピューティングやシステム開発などの技術と、その応用に関する研究を行っています。

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鈴木 大作(国際学部 国際文化学科 教授)

【人物紹介】
 1990年某家電メーカ研究所入社。実務経験を活かし、無線通信技術、プログラミング、IoTやネットワーク技術に関する教育と研究開発に従事すると共に、小中学校の情報教育などの地域貢献活動に積極的に参画。2018年琉球大学大学院理工学研究科総合知能工学専攻博士課程修了 博士(工学)。

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