明治元年以降、沢山の日本人が移民として海外へ渡りました。ここ沖縄からも多くの人々が海外へと雄飛し、現地での様々な困難を団結して乗り越え、移民先社会の発展に貢献しています。日本移民とその子孫たちを中心に構成された各地の日系社会は、現在の日本と移民先各国とを繋ぐ架け橋として重要な役割を担っています。
私は元々、ヨーロッパの大航海時代史や植民地期中南米の先住民表象研究を行っていましたが、東海地方の就労日系人集住地域への社会調査に参加したことがきっかけで、ブラジルでの長期調査の機会を得ました。生活や調査で行き詰まった時、ただ日本出身であるというだけで、これまで縁もゆかりもなかった私を日系社会の皆さんはいつも助けてくれました。移民先国に根を張りその発展に貢献する、日本をルーツに持つ親日の人々。そんな存在に大変興味を持った私は、JICAボランティアとしてブラジルへ再度赴き、日系社会についてより深く学びました。現在私はブラジル日本移民史、特に第二次世界大戦後の日系社会混乱期における日本移民の自己/他者表象について研究しています。
本学には海外協定大学への派遣交換留学制度があり、協定先にはかつての日本人移民先国がいくつもあります。例えばブラジルであれば、パラナ州のロンドリーナ州立大学への門戸が開かれています。ロンドリーナ市は名護市の姉妹提携都市であり、両市の交流そして交換留学は現地の日系社会や沖縄県人会のご協力によって円滑に進められています。
海外で活躍する日本人の先駆者である日本移民とその子孫、その歴史と現在を学ぶことは、国際社会での活躍を目指す皆さんにとって有益であると考えます。講義、交換留学、その他様々な活動を通して、日系社会について学んでみませんか?
長尾 直洋(国際学群 国際文化教育研究学系 准教授) 移民研究、植民地言説研究を専門としています。東海地方での教育研究活動、JICA日系社会ボランティア(ブラジル派遣)、JICA横浜海外移住資料館勤務を経て、2021年度より国際学群に准教授として着任致しました。やんばるの大自然を眺めながら散歩やジョギングをする事が最近のマイブームです。 |