遠隔教育システムの研究
佐久本 功達(国際学群経営情報教育研究学系 教授)
専門は教育工学です。「遠隔教育システム」に関するテーマで研究を行っています。近年、文部科学省は遠隔教育を推進しています。たとえば、「2040年に向けた高等教育のグランドデザイン(答申)」では、「多様な学生」、すなわち、多様な受講スタイルへのニーズ、18歳で入学する従来モデルから脱却、社会人、留学生、障害のある学生など、多様な年齢層の多様なニーズを持った学生に対する教育体制の整備が望まれています。
このような「多様な価値観が集まるキャンパス」では、授業における多様なメディア(ICT)の効果的な活用を図ることは極めて重要であると結論づけています。
そこで「遠隔教育システム」の登場です。現在、様々な教育機関において遠隔教育システムが活用されています。本学では正課授業内において、短期間での遠隔教育の実施はありましたが、定常的・安定的な実施は今後の課題となっています。その理由の1つとして、単にシステムの性能だけではなく、授業コンテンツがより重要になることが挙げられます。たとえば、遠隔教育の場合であっても、大学設置基準に定められている「1単位の授業科目を45時間の学修を必要とする内容をもって構成することを標準とすること(第21条第2項)」と「講義及び演習については、15時間から30時間までの範囲で大学が定める時間の授業をもって1単位とすること(同第1号)」を踏まえて、授業コンテンツを構成する必要があるからです。遠隔教育をシステムと授業コンテンツの両方を含めた全体としての教育効果を継続的に測定し、その分析結果からより効果的な授業運用につなげる必要があります。
来年から5G(第5世代通信)の運用が開始されます。5Gの特徴は、「超高速」「多数同時接続」「超低遅延」です。通信環境は現在よりも飛躍的に遠隔教育に有利な環境となります。さらに発展的な遠隔教育システムの研究ができると期待しているところです。
本学での遠隔実験授業の様子
〈引用・参考文献〉
「2040年に向けた高等教育のグランドデザイン(答申)(中教審第211号)」『文部科学省ホームページ』,〈http://www.mext.go.jp/b_menu/shingi/chukyo/chukyo0/toushin/1411360.htm〉[2019年10月18日閲覧]
佐久本 功達(国際学群経営情報教育研究学系 教授)
沖縄県那覇市出身です。高校卒業後は東京で過ごし、8年間母校の大学の情報科学研究センターで勤めた後、2001年4月から本学の勤務となりました。主に情報システムズ専攻の専門教育科目を担当しています。趣味はビートルズのレアなアナログ・レコードの収集です。課外活動では、硬式野球部の部長を務めています。選手たちに声をかけ鼓舞する「言葉」を考えて、同時に私自身もその「言葉」で奮起しています。目指すは神宮!必勝!!名桜!!!