沖縄の公立大学 名桜大学(沖縄県名護市)

研究コラム(つながる、つなげる教員の輪)研究

主題構造の言語間比較対照

中村 浩一郎/国際学群国際文化教育研究学系/掲載日:2019年9月

主題構造の言語間比較対照

中村 浩一郎(国際学群国際文化教育研究学系 教授)

 広報誌Meio 61号における「コラム:つながる、つなげる教員の輪」の担当を国際文化専攻の坪井祐司先生から紹介していただきました。同誌33号(2012年9月刊)から始まった、このコラムの国際学群の初回担当者は私でした。ひと回りしたかと感慨深いです。その間に研究も進展しました。日本語とイタリア語、ハンガリー語などヨーロッパ言語における主題構造比較から始まった研究も、今ではスペイン語、フランス語、ドイツ語などヨーロッパ諸言語や中国語にも対象を広げています。例えば、「僕はイタリアは行きたい」と言うと、イタリア以外にも行きたい国があります。一方で「イタリア(に)は」を文頭に移動し、かつ助詞「は」に強勢を置く「イタリア(に)は僕は行きたい」では、行きたいのはイタリアだけであるという含みが出てきます。興味深いことに、同様のことがスペイン語、フランス語などでも当てはまります。このような言語の語順・文構造と意味解釈との相関関係を論じるため、ポーランド、オーストリア、スイス、イタリア、ノルウェー、エストニア、フランス、中国で開催された学会で研究発表を行ってきました。今年6月には3泊5日でパリに行き、10月には北京で私の専門分野(カートグラフィー)の学会で3回目の発表が決まっています。世界中の研究者に向けて研究結果を発表し、質疑応答する機会は貴重ですので、学会発表はこれからも続けます。
 今年度からリベラルアーツ機構の山城智史先生との科研費共同研究が始まり、日本語と中国語の主題構造を比較し、その知見を教育に活かすべく、一層気合いが入っています。
 写真1枚目はタリン大学の学会会場入り口、2枚目は2年前に北京語言大学で開催された学会で司会をしたときの様子です。

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タリン大学学会会場

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北京語言大学で開催された学会で司会を務めました

nakamura2019.jpg中村 浩一郎(国際学群国際文化教育研究学系 教授)
大学院修了まで大阪で過ごし、広島の女子大で17年勤めた後、2012年4月から名桜で教えています。専門は理論言語学、特に比較統語論です。年々「気持ちのうちなー化」が進み、「せやな」より「だからよ〜」と言いたくて仕方ないです。沖縄の食文化が自身にとても合い、「がちまやー」化も進んでいます。これはアカンと思い、毎日入浴後に有酸素運動を行っています。口癖は「沖縄の空気が俺にビールを飲ませんねん!」です。

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