沖縄の公立大学 名桜大学(沖縄県名護市)

研究コラム(つながる、つなげる教員の輪)研究

地域をマーケティングで考える

草野 泰宏/国際学群 経営情報教育研究学系/掲載日:2018年3月

地域をマーケティングで考える

草野泰宏(国際学群 経営情報教育研究学系 准教授)

 私の研究分野はマーケティングです。そのなかでも特に地域のマーケティング(まちづくり)について研究しています。マーケティングは企業と消費者、あるいは社会との相互関係について研究されている学問ですが、この考え方を地域に応用するものです。都市に関する理論を中心に研究していましたが、現在ではより小さな地区ごとの特徴を見出すことで、都市の特徴を明らかにしていくという手法で地域マーケティングの研究を行なっています。
 みなさんも住む場所を決める時には、多くの条件の中からより望ましい場所を選択しているのではないでしょうか。例えば、自分の行きたい学校や働きたい職場が近くにあるのか、病院が近くにあるか、といったような「住みやすさ」の条件を複数持っていると思います。この「住みやすさ」に、沖縄という、豊かな自然・文化・歴史の重なり合うフィールドを重ねていくように研究を行っています。
 沖縄県内の地域マーケティングを進めていくなかで、私が注目しているのは「小売店の立地」です。私たちは生活に必要なものの多くを小売店で購入し、生活しています。小売店が近くに立地しているかというのは、住民にとっての「住みやすさ」と直結するものです。現代では買い物難民や買い物弱者といった言葉を耳にすることも多いかと思いますが、これも小売店の立地と関連する問題です。現在は、過去の地場や大手のスーパーの立地、青果店、精肉店、鮮魚店の立地状況を地図に落とし込み、その特徴を一つひとつ拾い上げています。
 沖縄で生まれ育った人が住み続けたいと思うのはもちろん、沖縄の魅力に惹きつけられた観光客が、「また来たい」と感じ、「定期的に訪れる」ようになり、やがて「住みたい」と思ってもらえるようなサイクルを推進する仕組みについて、研究していきたいと考えています。

   
格差社会と地域とブランドをキーワードに

2018年3月

 草野泰宏(くさの やすひろ)(国際学群 経営情報教育研究学系 准教授)

 1982年生まれの熊本県出身です。専門分野はマーケティングです。地域特有の文化を活用したマーケティングに興味があります。高校時代はカヌー競技をやっていました。今では数年に一度しかカヌーに乗りませんが、隣の人に速さで負けたくありません。そろそろ水上でも景色を楽しむことのできる、落ち着いた心を身につけたいと思います。

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