沖縄の助け合い文化を活かしたソーシャル・キャピタルと地域精神保健
田場 真由美(人間健康学部看護学科 教授)
4つの「助」の醸成につながる 沖縄の風景 |
保健師の活動指針では、「ソーシャル・キャピタルの活用した地域健康づくり」が重要ポイントであると明記しています。パットナムは、「ソーシャル・キャピタルとは、地域の諸活動で信頼と御酬性、ネットワークを醸成する活動」だと説明しています。まさに、「ゆいまーる」が相互扶助であり、それを活かした地域や職場の介入が沖縄の健康習慣を取り戻す方法になるのでは...と模索中です。沖縄の文化を活かした介入が、我が国の少子高齢社会の解決で目指す「自助」「互助」「共助」「公助」の4つの「助」の醸成につながるのではないかと考えています。私の研究対象者は中高年であり、健康長寿を取り戻すことに繋がると考えています。
現在は、北部12市町村のソーシャル・キャピタルの発掘の調査をしているところです。このデータを活かした地域づくりに関わっていくことを楽しみにしています。
さらに、もう1つの研究テーマが沖縄戦を体験した高齢者を対象としたトラウマの研究です。沖縄戦とトラウマの研究の第一人者である當山富士子元沖縄県立看護大学教授と共に多くの高齢者への聞き取り調査で明らかになったトラウマの現状と影響を与える要因についてまとめているところです。名桜大学の建学の精神の1つである「平和」に貢献できる研究だと考えています。
私の最近の「いちゃりばちょーでぃ」
2018年3月
田場真由美(たば まゆみ)(人間健康学部看護学科 教授) 1965年生まれ 沖縄県うるま市(旧コザ市生まれで故郷は旧石川市)何故か小学生の頃から看護師を目指し続けて約40年。「真の看護とは...」を考え、現在は公衆衛生看護の教育に携わっています。家族の成長と共に臨地現場と教育現場の経験を重ね続け大学院に進学し現職に就きました。様々な臨地の経験とその時の出会った仲間たちが私のエネルギー源です。 |