戦略と成長を考える
林 優子(国際学群 経営情報教育研究学系 上級准教授)
私は、経営のなかでも戦略論を研究しています。戦略というと、何らかの戦いにおいて相手を打ち負かし、勝ちにいくということになりますが、相手を負かすだけが戦略ではありません。
企業は、その各々で商品やサービスを生産したり販売したりすることで競合企業よりも、より多くの売上や利益を得たいと考えて戦略を検討していきます。そのことは競合企業からすると、別の商品やサービスを生産し販売することで対抗していこうとします。この動きは、私たちにとってとても有意義なものになります。様々な商品やサービスが色々な企業から作り出されるからです。しかし、時には自分の会社のことだけ考えていてもどうすることも出来ない問題が生じることがあります。例えば、最近であれば環境問題などは、ある1つの会社が環境に優しい商品やサービスを生産し提供しても、何ら解決にもなりません。しかし、環境に優しい商品づくりについて各々の会社が戦略を考え、時には協力しあうことで解決につながることもあります。
また、地域においても同じことが言えます。ただ、地域を広くあるいは狭く考えるかの議論も必要ですが、ある地域で特産品の開発をすることでその地域を盛り上げていこうと取り組むと、その動きは別の地域にも影響を与え、お互いが競争をしながらも結果的には全体としてよい効果をもたらすということになります。 これは人の行動についても同じことが言えるでしょう。
現在、企業や地域を取り巻く環境は、とても複雑で予測不可能なことが多くなっています。人口減少、少子化、高齢社会、高度に技術革新等が発達した社会経済の中で、企業は活動していかなければなりません。どのような戦略が企業にとって、地域にとって、あるいは社会にとって有意義なものとなるのか常に検討しながら企業活動や地域の動きを研究しています。
2017年6月
林 優子(はやし ゆうこ)(国際学群 経営情報教育研究学系 上級准教授) 1966年生まれの午(うま)年です。生まれも育ちも博多(正確には福岡市)ですが、沖縄での生活も13年目を迎えました。所属は国際学群経営専攻で、専門分野は企業や地域の経営戦略です。A型ですが、見た目(?)や行動からよくO型やろうと言われます。ストレスは溜め込まず、何事もマイペースで日々過ごしています。最近、おかしな博多弁を話すようになったと地元の友人から言われとります。 |