沖縄県北部広域12市町村における健康課題とヘルスプロモーション
現在、沖縄県北部広域12市町村における健康課題を抽出すべく、遺伝疫学的な観点より研究を行っております。国内外の研究機関において、多くの疾患とその関連遺伝子について研究がなされてきており、生まれつき、どのような疾患に罹患するリスクが高いのか、少しずつ明らかになってきています。このような背景のなか、沖縄県北部広域12市町村における住民の方々の遺伝子を調べ、先天的に罹患のリスクが高い疾患を特定したいと考えるようになりました。
ところで、そもそもなぜ遺伝疫学の研究を行う必要があるのでしょうか。何らかの疾患に罹患する背景には多くの要因があり、大別すると二つに分けられ、一つは先天的要因、もう一つは後天的要因に分類できると考えられています。つまり言い換えると、前者は生まれつき罹患するリスクが高い体質である等、生まれついて持っている要因、そして後者は、例えば、食習慣、運動習慣、喫煙習慣、飲酒習慣等、生まれた後に発生する要因です。ここで具体例を挙げると、仮に先天的要因として、糖尿病と関連が認められている遺伝子を有する人の場合、生まれつき糖尿病に罹患するリスクが高いと言うことができます。この場合、食習慣において、糖分を取り過ぎないようにする、あるいは運動習慣において、糖分を消費しやすくするために有酸素運動を生活の中に取り入れる等、糖尿病と関連が認められている遺伝子を有さない人よりも食生活や運動習慣に対して高い意識を持って、後天的要因をうまくコントロールする工夫を行う必要があると考えます。
このように、遺伝疫学の研究により、先天的にどのような体質なのかを把握し、目標とするある疾患の予防において、どのような点で特に生活改善を行うのかを検討することが可能となると考えます。よって私は現在、遺伝疫学の研究に取り組んでおり、その結果を基に、沖縄県北部広域12市町村に還元できうるヘルスプロモーションを提案したいと考えております。
本村 純(人間健康学部看護学科 准教授)
マイブームは英語学習で、インターネットで英語圏の国々のラジオを聴いたり、英語で映画鑑賞をしたり、友人と英会話をしたりと、楽しみながら英語を学んでいます。今後も英語学習を継続し、英語で海外の研究機関と共同研究を行いたいと考えております。
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