沖縄の公立大学 名桜大学(沖縄県名護市)

研究コラム(つながる、つなげる教員の輪)研究

グローバルな視点から会計を捉える

仲尾次 洋子/国際学群 経営情報教育学系/掲載日:2015年7月

グローバルな視点から会計を捉える


 私の専門分野は財務会計および国際会計です。財務会計はおもに企業の経営活動の結果を株主、債権者、従業員、国・地方公共団体などの利害関係者に財務諸表により報告することを目的としています。したがって、社会全体に及ぼす影響が強いため、会社法、税法および金融商品取引法などの国内の法律によって規制されています。
 一方、企業活動のグローバル化に伴い、企業の財務諸表の利用者は国境を越えてグローバルに存在することになりました。したがって、従来各国で規定されていた会計ルールで財務諸表を作成し、開示するだけでは、グローバルに存在する財務諸表利用者のニーズを満足させることができなくなりました。そこで、国際財務報告基準委員会によって国際的に統一された会計ルールである国際財務報告基準(International Financial Report Standards: IFRS)が開発されています。現在、IFRSを適用している国は120カ国以上といわれています。日本の場合、日本基準とIFRSとの差異をなくすコンバージェンス(収斂)という方法によって会計の国際化を図ってきました。その後、コンバージェンス、アドプション(採用)などの議論が展開されると同時に、企業にはIFRSの任意適用を認めるという対応がとられています。2015年現在、IFRS適用企業は40社、IFRS適用予定企業41社と年々増加しています。
 このような会計をめぐる現状を踏まえ、現在、会計制度の比較研究に取り組んでおり、研究フィールドをとくに台湾としています。台湾に焦点を当てた理由は、日本との経済的結びつきが強く、多数の日本企業が台湾に進出にもかかわらず先行研究が少ないこと、日本において喫緊の課題であるIFRSを先行して上場企業に強制適用したことが挙げられます。また個人的な理由として、沖縄から空路1時間余りという地の利が活かせること、台湾の食文化・台湾ドラマが大好きだからです。フィールドワークを通じた学問への貢献と同時に、名桜大学の学生と台湾で学ぶ日本人学生や社会人との交流を促すことを目指しています。

仲尾次洋子(国際学群 経営情報教育学系 上級准教授)
沖縄県金武町出身

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