現場の看護師が笑顔で働けるためにできること
私の専門分野は、看護管理学、看護教育学、急性期看護分野(救急・災害看護)です。現在、離島・へき地で勤務する看護職者の支援に取り組んでいます。これは、現場が抱える問題、課題、困っていること、気掛かりなことを、現場の看護職・関係者と共に解決に向けて考えていくという、アクションリサーチです。
美ら島ナース支援研究会「災害看護」 |
2009年に離島診療所看護師とのビデオカンファレンス内容を分析した結果、離島診療所看護師は、島外の看護師とのコミュニケーション、離島に居ながらの知識・技術のアップデート、インターネットリテラシーを必要としていました。また、学会・研修会への参加、休暇のために島外に出る際の代替看護師確保も望んでいました。
やんばる地区で働く看護職者は、その地理的特徴から継続教育の機会が得られにくく、知識・情報入手手段も限られています。また、保健医療の人的資源不足から関連する他の専門職に関わる役割を担うことも多く、広範囲の知識・技術も要求されており、離島診療所看護師同様の問題を抱えています。そこで、やんばるで働く看護職者が学習や相談を受けられる環境、看護実践上の知識・技術のブラッシュアップできる機会を提供しようと考えました。私の所属する成人看護学領域で「美ら島ナース支援研究会」を立ち上げ、看護実践上のトピックス(摂食嚥下障害ケア、災害医療・看護、褥瘡・創傷予防ケア、感染管理、周術期看護など)の情報提供や相談の機会を設けました。
離島看護職者への支援は、情報通信技術(ICT:Information and Communication Technology)を用いた研究会のライブストリーミングや相談活動をしていきたいです。なかなか、ICT活用環境が整いませんが、今後、ICTによる双方向コミュニケーションを目指し、インターネットリテラシー提供も行っていきたいです。
清水 かおり (人間健康学部看護学科 上級准教授) 1968年、沖縄県名護市生まれ、旧姓は「比嘉」、イケメンに憧れる息子を持つ。Appleの創設者Steve Jobs崇拝者 趣味は、ヒトの行動観察とアセスメント、Apple製品に囲まれること、車好きでカメラ小僧、と多過ぎる。何でも蘊蓄から入るので、話始めると長くなる。座右の銘は「身分相応」と「Stay hungry, stay foolish」。その人らしさを支える看護実践を追求中 |