高齢者のEnd-of-Life Care
佐和田 重信(人間健康学部 看護学科 助教)
私の専門領域は高齢者看護です。現在、高齢者のEnd-of-Life Careを提供する看護・介護職者への支援に関する研究に興味を持っています。
ご存知のように超高齢社会を迎えている日本は、世界のどの国も今まで経験したことのない社会となり、この超高齢社会にどのように対処するのか世界からも注目されています。 超高齢社会の中で日本は多死の時代(死亡急増時代)を迎え、最近は高齢者の終末期医療やEnd-of-Life Careをめぐる議論が盛んになり、「平穏死のすすめ」(石飛 幸三著)などもベストセラーとなりました。
日本人の死亡場所は、かつては8割以上が自宅であったのに対し今では約8割が病院などの医療機関となっています。在宅での死亡割合を増やそうとする取り組みが行われていますが、在宅のみでは対応できず今後は病院に代わり介護保険サービス施設(特別養護老人ホーム、介護老人保健施設、認知症対応型グループホーム等)で亡くなる高齢者が増えてくる傾向が進んでいくと思われます。そのため、高齢者の終末期は「医療モデル」のみで対応することは困難で、介護保険サービス施設などで長期間のエンドオブライフ期の延長線上に死がくるという「生活モデル」型の終末期ケアに移行してくるでしょう。そのため、介護保険サービス施設におけるより良い終末期ケアの実践やケアスタッフの精神的ストレスの支援に関する研究を行いたいと考えています。
日本人は特に死について語ることを「縁起が悪い」とタブー視して強い拒否感がありますが、最近は「終活」や「エンディングノート」などの言葉を耳にするようになりました。少しは自分自身も意識しないといけない年になったかな?と思うこの頃です。
沖縄県出身。これまで病院、介護支援専門員、介護老人保健施設などを経験し、2011年より名桜大学でお世話になっています。担当は高齢者・在宅ケア領域で、自分自身も学生と一緒に学びながら楽しんでいきたいと思います。家庭では2人の娘とダラダラ過ごす時間を楽しみながら過ごしています。 |