学生と学び合いながら、精神看護を探究していけること
平上久美子(人間健康学部 看護学科 講師)
私の専門は精神看護学です。とくに精神科看護の文化や看護教育に関心があり、研究に取り組んでいます。
教員になる前は、学生を対象にする看護教育には興味も関心もなかったのですが、いざ身を置いてみると、学生は非常に面白く、その不思議な魅力をもつ存在について深く知りたい思いと、教員としての自らの教育力や課題、今後どうあるべきか、などの確からしさを得たくて、一気に様々な思いが湧いてきました。
そこで看護教育の中でももともと関心のあった、学生が不得手意識や否定的なイメージをもちやすい精神看護領域における臨地実習教育および実習の場となる精神科病棟の文化が研究テーマになってきました。
本学看護学科は全国に先駆けて、参画型看護教育に取り組んでいます。これは学生と教員のどちらかが主導するのではなく、協働により場を発展させる相互決定型学習が展開されます。これは大学教育に求められる社会人基礎力や学士力の育成などを満たしているだけでなく、担当する教員としても学生との協働による自らの成長もあり、魅力があります。この学習のあり様を活力として、精神看護科目においては、学生たちによる寸劇入りプレゼンテーションやTBL(Team-Based Learning)、臨床ナースの協力を得てのロールプレイ、学生チームで取り組む領域実習など、学生1人1人やチームの持つ力を最大限発揮してもらえるような場づくりに努力しています。教員では思いつかない発想や、思いがけない情報、クリエイティブな意見や実践などに、私たちも刺激を受け楽しんだり、「うーん」と考えさせられることもしばしばです。さらに、学生とともに創る授業について、学習目標に対する学習効果や、学生にとってのその他の意味などを明らかにするべく研究にとりくみつつ、何か面白いことはないかな?と画策中です。ことを目指して研究に取り組んでいます。
学ぶとは限りなく学び探究し続けることであり、このことにおいて、教員は協同学習者により近くなるものとされます。より質の高い協同学習者であれるよう、人として教員として看護専門職者として研鑽しつつ、学生との相互作用の中で成長していける存在であり続けたいと思っています。
今年度出会った魅力的なD1ゼミ
2013年8月
"晴れの国"岡山県出身。桃太郎と温羅が戦った吉備の国真っただ中で、豊臣秀吉が水攻めした城跡近くに実家はあり、歴史色豊かな中で育った。総合病院病棟看護師、在宅介護支援センターでのケアマネージャ-などを経て、平成15年より統合カリキュラム校、短大などで看護教育に携わり、平成23年より本学に着任。移住したかった沖縄で、学びたかった教授の下で仕事が出きる幸せに包まれ、しかし思うように成長できない自分のもどかしさは学生たちに支えられ、めまぐるしくも愛すべき充実した日々を送っています♪ |