コーチングはスポーツ科学の叡智の統合
仲田 好邦(人間健康学部 スポーツ健康学科 助教)
私の専門はコーチング学です。最近ではビジネスの世界においても注目されており、ビジネス書の類が書店を賑わせています。今回は本家本元であるスポーツのコーチングについて解説したいと思います。
体育・スポーツ科学は体育やスポーツという冠のもとに様々な研究分野が確立しています。体育やスポーツの名のもとに総合大学があるとイメージすれば、理解しやすいのではないでしょうか。
体育・スポーツ科学も一般科学(母科学)と同様に大きく分類すると、運動生理学やバイオメカニクスなどの自然科学分野、スポーツ哲学やスポーツ史などの人文科学分野、スポーツ社会学やスポーツ経営学などの社会科学分野に分類されています。
母科学の発展とともにスポーツ科学も発展し細分化を続けてきました。その結果、理論と実践(フィールド)に乖離が生じることとなりました。理論をフィールドに還元するには、それぞれスポーツ種目に合わせて理論を統合していかなければなりません。そこにコーチング学の独自性と使命があります。
コーチング学は数多の体育・スポーツの研究分野の知見を学際的に俯瞰し、それにスポーツ実践全般に関わる経験とそれぞれのスポーツ種目固有の経験を統合し、理論を構築していく学際応用的な学問です。ゆえに、個人的にはスポーツ科学の研究者は常にフィールドに立ち続けていくべきであると考えています。また同じ理由から、児童生徒に体育・スポーツ・運動を指導する保健体育教師を目指す学生にも、部活動に加入し学生アスリートとして活動してほしいと願っています。
個人の研究テーマはハンドボールのゲーム分析です。ゲーム中に起こる様々な事象を数量化したり、質的に分析したりして課題を設定し、その課題の適性解を見つけフィールドに還元する一連のコーチングを研究しています。日本代表に帯同して世界選手権やオリンピック予選の分析もしています。興味のある方は研究室までいらしてください。
2013年4月
仲田 好邦(人間健康学部 スポーツ健康学科 助教) 1981年生まれ。浦添市出身。両親の生まれは本部町備瀬。 8歳からハンドボールを始める。愛知県の大学勤務を経て2010年より本学に着任。男女ハンドボール部監督。日本ハンドボール協会情報科学委員。九州学生ハンドボール連盟理事。沖縄県ハンドボール協会理事。お気に入りは「いまを生きる」、宮部みゆき、→Pia-no-jaC←、「リベンジ(DLife)」。 |