令和6年1月28日(日)10時~10時45分、13時~13時45分の2回、イオン琉球名護店会議室において「骨盤底ヘルスのすすめ-女性特有の骨盤底疾患(頻尿、尿漏れ、骨盤臓器脱)」と題し、講演と体操実演を行いました。
本イベントは「令和5年度大学発SDGs社会課題解決型科学技術プロジェクト創出支援事業」として、琉球大学の理学療法士である長嶺覚子先生が、泌尿器科医の宮里実先生と共同で体幹のインナーユニットを意識した骨盤底筋体操を考案したものを普及していくスタートアップ事業です。名桜大学はその事業の再委託を受け、産学連携包括協定を結んでいるイオン琉球様にご協力頂き、骨盤底弛緩症のレジストリ拡充および予防に関する普及活動の一環として実施しました。
実は40歳以上の女性の4割が尿もれを経験し、年齢を重ねるごとにその割合も増加します。尿もれは精神的な苦痛となり、外出の機会を妨げたり、常にトイレの場所を心配して心から外出先で楽しめない、といった生活の質(QOL)に深刻な影響を及ぼしますが、介入が難しく取り組みが進んでいません。骨盤底弛緩症は立ち仕事や肥満、多産などが要因と言われ、県内には潜在的に困っている女性が多くいるのではないかと思われます。
考案された体操の特徴は、骨盤底筋の強化以外に体幹を鍛える効果もあり、ロコモやフレイルの予防にもつながります。宮里先生は骨盤臓器脱症や尿失禁の原因を紹介しながら「将来に向けて予防が大事」と骨盤底筋体操の継続の重要性を強調されました。
長嶺先生は超音波画像の動画を用いて骨盤底筋の収縮を参加者にイメージしやすく紹介しながら体操を実演し、参加者からは「初めて聞いた話で、とても参考になった」「仕事中にも意識して骨盤底筋を鍛えていきます」とのお声を頂きました。
女性のセルフケアを促す本事業が、将来的にSDGs3「すべての人に健康と福祉を」に貢献する第一歩になると期待しています。
報告:阿部 正子(看護学科 教授)
宮里先生の講話に参加者は興味津々
長嶺先生が体幹にも効く骨盤底筋体操を実演