去る1月6日(土)、7日(日)の2日間、沖縄の自然や文化を体験する「笑顔と感動 KOBE夢・未来号・沖縄」というプロジェクトが開催され、神戸市の児童・生徒30人が参加し沖縄を訪問しました。このプロジェクトに参加したのは、様々な事情から親と離れて児童養護施設で生活している皆さんです。施設に暮らす小学6年生全員を沖縄に招待するという取り組みとして行われ、今年で16回目となります。
神戸・三宮商店街関係者でつくるKOBE三宮・ひと街創り協議会とザ・ファーストが主催し、ソラシドエアや東武トップツアーズほか、数多くの企業や個人が趣旨に賛同して実現しています。
参加された児童・生徒のみなさんと名桜大学の学生ボランティアら
このプロジェクトに、毎年多数の名桜大学学生たちがボランティアとして協力しています。一行は6日に那覇空港に到着すると沖縄県による歓迎セレモニーが執り行われ、ここから学生ボランティア12名が合流。その後本部町の八重岳桜の森公園で桜を植樹したり沖縄美ら海水族館を見学しました。学生ボランティアは児童・生徒と行動を共にして沖縄の歴史や文化、風土などを学生の視点から紹介しました。7日は県平和記念公園や首里城を見学し、那覇空港で学生ボランティアや関係者の見送りの中、帰途につきました。
参加された児童・生徒の皆さんにとってはもちろん、名桜大学学生ボランティアにとってもかけがえのない思い出となったことでしょう。
那覇空港で児童・生徒たちをお見送りする学生ボランティアたち
じつは、このプロジェクトに長年に渡って携わり、子どもたちの引率もされてきた神戸市こども家庭センター(児童相談所)の前所長・樫原伴子さんが、2023年春より名桜大学の教授として着任され、現在、精神保健や健康心理学などの講義を担当されています。
名桜大学人間健康学部スポーツ健康学科・樫原伴子教授(前・神戸市こども家庭センター所長)
樫原伴子教授いわく、「1泊2日ながら子どもの心の成長を感じるプロジェクトで、このプロジェクトに参加し神戸に戻ったらおねしょ癖が直った児童もいました」と、沖縄での経験がその後の子どもたちの成長に大きな影響を与えるものになっていると評価しています。
過去に児童としてこのプロジェクトに参加した方が、その後社会人となって引率職員やボランティアの立場で再びプロジェクトに参加して後輩たちの世話をするといった事例も出てきているそうです。
初めて飛行機に乗った児童も少なくないそうで、沖縄の美しい海と空を目にし、沖縄の多くの人たちとの交流を通じた様々な感動と思い出を持ち帰ってもらい、さらにその経験が自信を持って生きる糧となることを祈ると共に、大人になってからまた沖縄に来訪してくれることを願うばかりです。
このプロジェクトは神戸新聞、沖縄タイムス、琉球新報が速報を出すなどして毎年報じられています