名護市学習支援教室ぴゅあ(顧問:嘉納英明)は、第59回 社会貢献者表彰(主催:公益財団法人 社会貢献支援財団(会長 安倍 昭恵))を受賞し、2023年7月31日(月)に帝国ホテル(東京)にて行われた授賞式に参加いたしました。今回の表彰では、社会の各分野で顕著な功績を挙げた30の団体等が受賞し、安倍昭恵会長より表彰状を授与して頂きました。今までご支援頂いた全ての方々に感謝するとともに、この賞に恥じぬよう、今後とも学生と共に頑張っていきたいと思います。
表彰状を手に学長室を訪れたぴゅあのメンバー
2013(平成25)年5月、名護市学習支援教室ぴゅあは、名護市と名桜大学の共同事業として始まりました。大学と行政のコラボによる取り組みは珍しく、ユニークな連携事業として位置づけられるものです。ぴゅあは、名護市内の生活困窮世帯の中学生への学習支援と居場所づくりを目指した活動を展開しています。毎週3回、2時間の無料の学習支援は、大学の教室を活用して行われています。中学生は、大学発着の巡回バスに乗り込み、支援者である学生と共に学んでいます。学習形態は、基本的にマンツーマンです。昨年度からぴゅあの活動と並行して、週1回、名護市立屋部中学校へ学生が出向き、アウトリーチ的な支援活動を行っています。今年度は、東江中学校においても活動を始めています。ぴゅあの活動は、名護市役所の支援がなければ継続できるものではありません。年に数回、対面で名護市役所生活支援課の職員と学生の合同学習会や情報交換を行っています。
ぴゅあでは、学習支援の他に、七夕、ハロウィン、クリスマス等の四季折々のイベントが学生主体で実施され、中学生は大学のキャンパスでぴゅあ体験を味わっています。コロナ禍前は、「大学生と中学生の平和学習旅行」等の寝食を共にした学外活動がありました。コロナがおさまりつつあるので、今年度は、学生企画の学外活動も実施する予定です。また、支援者である学生相互の関係性の深まりも大切なことから、学生のみの交流イベントも実施しています。学内には、ぴゅあ室も設置されています。大学の提供でぴゅあ専用教室があることは嬉しいものです。現在のぴゅあに参加している学生は50名を数え、学生の交流の場・居場所ともなっています。ぴゅあ室には、活動計画や日程の他、学習支援に必要な参考書類、高校受験関連資料、文房具、パソコンやプリンター等があります。個々の中学生の学習状況ファイルは大切に保管され、ぴゅあ活動のリフレクションや次時の指導の参考として活かされています。毎回、ぴゅあの活動の様子は、グループLINEで共有されています。
ぴゅあの中学生の高校合格率はほぼ100%であり、また、ドロップアウトする生徒もほとんどいないことも嬉しいです。高校を卒業し、大学や専門学校に進学した話を聞くと、ぴゅあの存在意義をあらためて確認できたようで心躍るものでした。今後は、キャリア教育や性教育等についても、限られた学習時間内で実施できるよう、学生とも考えていきたいです。
報告:名護市学習支援教室ぴゅあ顧問 嘉納 英明(国際文化学科 教授)