トヨタ自動車東日本 勤務
―国際学部 観光産業学科(2003年度卒業) 松田 清臣さん ―
名桜大学に入学したきっかけ・名桜大学の良さ
家から通える大学であるということが一番の入学の決め手ではありましたが、名桜大学が開学されてから間もない頃だったこともあり、良い意味で歴史や伝統もない、フレッシュで新しい挑戦ができる大学なのではないかという印象を抱いて入学しました。
在学中に印象に残っている出来事はありますか
今のようにスマートフォンで手軽に調べることができない時代に、課題の一環で「地域復興」についてヒアリングするために、大学周辺の地域住民を一軒一軒まわりながら調査をしたことが印象に残っています。多くの人々からお話を伺い、自分たちで答えを導き出していった在学中の経験は、社会人となった今でも様々なシーンにおいて生かすことができています。
現在のお仕事について教えてください
トヨタでも人気の車種である「ヤリス」「アクア」「シエンタ」などのコンパクトカーと呼ばれる車種の企画から生産までを担当しています。弊社の生産工場は宮城県と岩手県にありますが、東富士総合センター(静岡県)では、設計・開発部の拠点としてコンパクトカーを中心とした車の開発業務を担っています。特に「シエンタ」においては、初期の立ち上げ段階から携わっていて思い入れのある車です。このような製品開発をするにあたり、お客様の声は大変重要です。お客様にとって、車高が高い車が良いのか、低い車が良いのか、車内空間の広さやスポーティーな車を重視した方が良いのかなど、様々なご意見を参考にしながら、機能的に実現可能な車を追求していきます。併せて車のイメージイラストを描くスタイリングデザイナーとも協働しながらプロジェクトを進行します。ある程度のイメージが固まってくると、さらなる快適な車内空間を生み出すための工夫などを模索していきます。シートの座り心地をはじめ、カップホルダーの形状、ドアノブの位置などの細部に至るまで、より良い車をつくろうという信念のもと、あらゆる視点から開発に取り組んでいきます。また、車をご購入いただいたお客様のご意見以外に、例えば販売店のスタッフなど幅広い層からの意見も参考にしながら改良を重ねています。一昔前は「車はガソリンを燃料として走る」のが常識でしたが、時代の要請や技術の進歩によって今やハイブリッド・EV・電気自動車のニーズが高まっています。また、コストパフォーマンスについてもより高い内容が求められています。いつの時代でも「お客様にとっては、大切な一台」であることには変わりありません。時代とともに変化していくお客様のニーズに応えられるように、これからも尽力していきます。
名桜大学での経験が生かされていることはありますか
弊社は東北に本社拠点があり、「東北から世界へ魅力あるコンパクトカーをもっと早くお客様へ」というスローガンを掲げています。東北地域の皆さんとのコミュニケーションや、地域貢献、地域復興などの活動についても積極的に行っています。同じ車種でも地域の気候によって車に求められる性能が異なり、それに応じて部品の仕様も変わります。それぞれの地域住民のお声をもとに課題解決していくことで、より良い製品を生み出せるようにしています。名桜大学で取り組んだテーマ「地域復興」で、地域住民の声に直に触れることができた経験が、今の仕事に生かされていると実感しています。
名桜大学への受験生や在学生へメッセージをお願いします
現代社会はマルチスキルが必要とされる時代です。ひとつの分野に拘泥したスペシャリストよりも、複数の分野にまたがり幅広く多角的な視点で物事をみることができ、能動的に動けるような人材が望まれています。だからこそ学生時代は幅広く様々な分野に興味をもち、チャレンジをしてほしいと思います。名桜大学はそのチャレンジができる大学です。名桜大学で、たくさんの経験を積まれることを期待しています。