国際協力コース総評
令和2年度の現地実習国際協力コースでは、国際文化専攻3年次の学生5人が9月中に2週間の実習を国際協力や援助の現場で実施しました。具体的には、北村侑子さん(鳥取県・鳥取城北高校出身)・新里青空さん(沖縄県立小禄高校出身)・田中里奈さん(鹿児島県立古仁屋高校出身)が「沖縄NGOセンター」にて、小倉愛美さん(鹿児島県立国分高校出身)・片岡駿介さん(茨城県立水戸桜ノ牧高校出身)が「JICA沖縄国際センター」にてインターンシップを体験しました。新型コロナ禍という危機的状況にもかかわらず、本国際協力コースの趣旨をご理解いただき、快く学生たちを受入れていただいた各機関の関係者に、心より感謝の意を表します。貴殿の丁寧なご指導ご支援のおかげで、参加学生は多くのことを学び、卒業後の進路を設計するための貴重な示唆を得たようです。以下、今回の実習の感想や成果を、参加学生に直接報告してもらいます。
総評:高嶺 司(国際文化教育研究学系 教授)
「お互いを認め合い、違いに寛容である大切さ」
北村 侑子・新里 青空・田中 里奈
沖縄NGOセンターでの実習を通して、オンライン・イベントの企画から、会議や資料準備といった実務など、様々な経験をさせていただきました。沖縄NGOセンターは、県内外、そして世界各地の様々な活動を行なっている人々が協力し合って、教材づくりやイベントの開催に尽力していることがよく分かりました。実習中は、3人の理事の方々にお話を伺う機会があり、グローバル化が進み様々な人々との出会いがある今、お互いを認め合い敬意を示すこと、違いに寛容であることの大切さを知ることができました。
特に印象に残っているのが「世界のウチナーンチュ」と題したオンライン集会です。集会では、ブラジルなど世界各地のウチナーンチュ達のお話を直接伺うことができました。ハッと思わされるような考え方や示唆がたくさんあり、県外出身者の私たちにとっても、「世界のウチナーンチュ」について考えるきっかけになりました。また、沖縄NGOセンターには各国の民族衣装、楽器、雑貨などが多数あり、実際に利用することができて楽しかったです。そして、ウチナーンチュのことだけでなく、イベント企画の作り方や教材づくりのポイントなど新しい学びが数多くありました。
沖縄NGOセンター内の民族衣装
「国際協力の事例から世界の問題点を学ぶ」
小倉 愛美・片岡 俊介
JICA沖縄国際センターでの実習に参加して強く感じたことは、沖縄県の気候や地理的特性、歴史といった様々な特性を活かした国際協力が行われていることです。特に、宮古島の水不足を解消するために作られた地下ダムが、サモアへ技術移転された国際協力の事例から、沖縄県と世界が抱えている問題における類似性を学ぶことができました。
また、期間中に開催されたSDGs(国連の持続可能な開発目標)プログラムも印象的で、多くの学びがありました。JICA沖縄が行っている支援事業の多くもSDGsに関連しており、今後、途上国だけでなく、先進国も含めた世界各国で解決すべき問題があるということも理解できました。
そして、私たちはSDGsの目標達成に責任を負っているので、積極的に関わっていきたいと思いました。2週間の実習で得た様々な経験を今後の大学生活やキャリア形成に活かしたいと思います。
JICA沖縄国際センターにて