令和2年11月5日、ジャーナリスト・藤原秀人氏(元朝日新聞中国総局長)をお招きし、「体験的アジア文化論」と題した特別講演会を実施しました(会場:サクラウム大講義室A)。
講演では、アジア地域をいかに体系的に把握・理解するのかについて、まずは中国を軸にご自身の専門を深められてきた経緯についてご紹介いただきました。そして、ジャーナリストとしてのご経験から、マスメディアおよび情報との向き合い方がいかに重要になってくるかなど、望ましいアジア観・世界観を構築する方法論についてお話しくださいました。何より、時に緊張関係が生じるような間柄であればこそ、お互いの顔を思い浮かべることのできる想像力の有無が、アジアにおける平和の維持にとって大切である点が指摘されました。
今回の講演会は、著者が統括を務める名桜大学基盤形成事業アジアの平和と未来プロジェクト「対立・紛争・共生から考えるアジアの平和と未来」の一環として実施しました。東京の大学で講師を務められている藤原氏は、常に学生目線で話を進められ、大学生活を無駄に過ごさないよう学生諸君を激励してくださるなど、大変刺激に富む内容でした。本学学生も、やんばるの地にいながらにして第一線で活躍されてきた講師からの生の経験談を聞くことで、アジアの平和について考えるにあたって、他者理解から自己理解へとつなげていくことの重要性を再認識できたと思います。遠方よりお越しくださった藤原氏に心からのお礼を申し上げます。
報告:菅野 敦志(国際文化教育研究学系 上級准教授)
講演で県内紙を高く評価されていた藤原氏