令和元年度 人間健康学部スポーツ健康学科「看護臨床実習報告」
令和元年度の看護臨床実習Ⅰは、令和元年6月30日(日)・7月7日(日)に、スポーツ健康学科一年次のスノーケリング実習に同行し、海洋実習における救護班の役割を学びました。事前健康チェック、溺水、車酔い、波酔い、熱中症、海洋危険生物、低体温などへの対応について事前学習を行い臨みましたが、実際に救護対応があり、予測して行動することの重要性を学び、観察、コミュニケーション、報告・連絡・相談の再認識できました。また、天候確認の重要も学ぶことができました。
看護臨床実習Ⅱは、令和元年8月9日(金)~8月23日(金)まで、北部地区医師会病院、健康管理センター、名護養育医療センターで行いました。
今年度も、看護臨床実習Ⅱの実習を通しても、コミュニケーション技術、観察技術、連携の重要性等が学びの成果としてあげられています。
実習事後学習では、実習中の課題克服のために、各グループでそれぞれの課題を整理し、ロールプレイイングやグループワークなどを実施しました。他のグループから学ぶ中で、さらに学びが深まったようです。
看護臨床実習を通して、養護教諭の責任の重さ、学ばなければならないことの多さに不安を感じる学生や、自己成長を感じ希望に満ち、養護教諭になる決意を新たにした学生もいます。いずれの場合も、養護教諭の立場ではどう関わるのかなど、意識しながら実習展開をした結果であると考えます。養護実習では学びが深まることを期待したいです。
ご多忙の中実習を引き受けてくださり、丁寧なご指導をくださった実習施設の皆さまに深く感謝申し上げます。ありがとうございました。
総評:看護臨床実習担当 前川 美紀子(スポーツ健康学科 教授)
実習生一同。養護教諭を目指して
対象者と向き合うことの大切さに気づいた実習
菊地 梓(スポーツ健康学科3年次、北海道室蘭栄高校出身)
北部地区医師会病院で行った看護臨床実習では、看護師が行うコミュニケーション技術を学ぶことを一番大きな目標としていました。また、オリエンテーションで今回の看護臨床実習をどのように養護教諭に生かすのか考えてほしいとのお話があったため、自分なりの生かし方を常に考えることにしました。
看護師のコミュニケーションから学べたことは、対象者に合わせるということです。看護師は対象者に合わせて目線、声のトーン、声の大きさ、言葉を選んでいたことが印象的でした。また、様々な状況にも合わせていたことに驚きました。養護教諭として現場に出て児童生徒を相手にするときに、小学生の低学年であれば簡単な言葉でゆっくりとわかりやすく話すことが求められます。高校生であれば、少し難しい言葉で指導しつつ話すことが必要となります。また、子どもだけではなく、教職員、保護者、地域の人、医療機関などさまざまな大人とも関わる機会があるため、臨機応変にコミュニケーションを取る必要があると再認識しました。
名護療育医療センターでは、重症心身症の患者の生活、発達障害をもつ子ども、さらには保護者の対応についても学ぶことができました。重症心身症の患者は、できることが一人一人異なり、それに合わせてできないことをできるように、できることを継続してできるようにといった支援を行っていきました。外来での診察は、子どもの何気ない生活の様子を聞いたり、遊ぶ様子を観察したりして判断していました。その場だけの様子、その日聞いた話からでは症状の断定をすることは難しいと知りました。また、「学習障がい・発達障がい」という言葉を使わず、「発達症・学習症」を使い、少しでも負担を減らすようにしていると知りました。保護者には眠れているか、誰かに相談はできているか、体調は良いかといった状態の確認を行っていました。小さなことではありますが、聞いてもらっている保護者はどこか安心した表情をしていたように見えました。保護者のことも心配できるような心のゆとりを持てるようになりたいです。
看護臨床実習が、学校で働く養護教諭にとってどのような意味があるのか十分に理解できていませんでした。しかし、看護師という職業から養護教諭として学ぶべき点がたくさんありました。安心・安楽についての意識、環境を整えるといった基礎的な部分で共通していることがたくさんありました。主訴を聞きつつ、現状として一番つらい部分を見抜き、不安や苦しみを取り除こうとする姿勢は養護教諭にも必要とされるため、看護師のすばやい対応はとても勉強になりました。迷わず正しい対応をできるようになりたいです。また、児童生徒のために何をするべきか常に考えることができるようにしていきたいです。