令和元年度 国際学群 海外インターンシップ報告
国際的ビジネスマインドを養い、世界で活躍できる人材育成を目指す
国際学群観光産業専攻の実習科目である「海外インターンシップ」は、海外の旅行会社やホテルなど観光関連企業の協力を得て現地にて3週間~4週間の研修を行うことにより、学生の国際感覚に磨きをかけるのは勿論のこと、国際的ビジネスマインドを養い世界で活躍できる人材を育成することを目指しています。
本年度は前年度までの研修地(マレーシア、台湾、韓国)に加え、駐シンガポール沖縄県事務所の協力を得て、シンガポールに派遣することが出来ました。シンガポールは沖縄よりの直行便も飛び始め、沖縄との交流がより盛んになることが予想されるディスティネーションです。
前学期期間中に座学での事前学習ならびに県内企業(沖縄ツーリスト名護支店、ホテルマハイナウェルネスリゾート、名護市観光協会・名護市商工会)での国内実習を行いました。夏休み期間となる8月から9月にかけて、台湾の沖縄ツーリスト台北事務所(3人)、マレーシアのグランドブルーウェーブホテル・シャーアラム(3人)、韓国のハナツアー(1人)、シンガポールの駐シンガポール沖縄県事務所(2人)に合計9人の学生を派遣しました。それぞれに特色ある地域への派遣であり、より多様な学びが出来たのではないでしょうか。
報告会を12月11日(水)に実施いたしました。報告会では、それぞれの学修の成果を発表・共有するとともに、改めて語学力の重要性・日本や沖縄のことについての理解度不足を感じた学生も多かったと思います。訪日外国人の激増など、日本国内に居ながら国際化を肌で感じるようになってきていますが、学生の皆さんには今回の経験がよい刺激になったことでしょう。
受け入れ企業よりは、お客様への積極的な対応や社員との円滑なコミュニケーションをとれたことなどとてもよい評価をいただいています。ここ数年、観光産業専攻以外の学生の参加も多くなってきました。今後も国際学群の特色ある科目としてプログラムの充実を図っていきたいと思います。最後に、ご協力いただきました国内外の企業の皆様に紙面を借りてお礼申し上げます。
総評:角谷 尚久(観光産業教育研究学系 上級准教授)
海外インターンシップを通して
砂田花帆(観光産業専攻3年次、広島県立廿日市高校出身)
派遣先:名護市観光協会、沖縄県シンガポール事務所
今回のインターンシップでは、日本とは大きく異なる環境の中で様々な体験を通して、海外の観光行政の業務内容と最適なプロモーションの方法を学び、沖縄県の観光のさらなる発展の可能性を感じました。マレーシア最大級の旅行博に参加した際には、多くの来場者が沖縄を認知しており、沖縄県への旅行意欲が高まっていることを実感しました。日本で行う日本人向けのプロモーション方法や誘客方法ではなく、現地の人の傾向や性格、異なった価値観にも訴えかけられるような工夫をして取り組むことで、沖縄県が美しく温かく、独特な魅力を持つ島だという良いイメージを広められることを学ぶことができました。この海外インターンシップを通して観光についてさらに深く学びたいと思い、将来の職業選択においても、観光行政の仕事に就くことに前向きに考えるようになりました。
休日や仕事終わりには、現地の人と一緒に食事を摂りながら、宗教上のルールや価値観について話を聞くことで、多くの人が沖縄にもっと来易くなるにはどういった工夫が必要かよく考えるきっかけとなりました。
観光行政という貴重な経験を海外で経験させてもらったことによって、日本そして沖縄の観光の現状について理解し、外から見た沖縄のイメージまで学ぶことができました。今回の海外インターンシップに参加するにあたって、お世話になった方々への感謝の気持ちを忘れずに、今後の職業選択に役立てたいと思います。
マレーシアでの旅行博の様子
就職活動本番に向けての課題を再発見
小杉紗菜(3年次、静岡県・静岡理工科大学静岡北高校出身)
実習先:グランドブルーウェーブホテル・シャーアラム(マレーシア)
今回の国内事前研修を含めた約1カ月間のインターンシップを通して、ホテル業務の詳細な内容を学ぶことができました。また、国内・海外のホテルの現場で働く方々が親身になって業務について指導してくださったことで、ホテルで働く大変さや楽しさに気づくこともできました。
海外研修では従業員の方々と積極的にコミュニケーションを取ったことで、イスラム文化をより身近に感じ、異文化理解を深めると同時に、多少ですが自身の語学力に自信を持つことができました。さらなる語学力向上をめざすには、英検やTOEIC等の資格取得による英語力の可視化の必要性を実感しました。今後はTOEIC、英検の取得を目標とした英語学習に励んでいきたいと強く感じました。さらに、就職活動という視点から業界および企業の研究に重要性を感じるとともに、自身の経営・経済に関する知識不足を痛感しました。来春の就職活動に向けてホテル業界を含め、他の志望業界・企業の研究を入念に行っていきたいと思いました。
海外インターンシップでの経験は自身の「強み」です。これからの就職活動をはじめ、様々なことに挑戦していきたいと思います。
グランドブルーウェーブホテルにて
海外で働くことについて視野を広げることができた
吉江優里(観光産業専攻3年次、長野県立岡谷南高校出身)
派遣先:沖縄ツーリスト名護支店・台北事務所
私は、海外の観光分野で働くことに興味があり、今回の海外インターンシップは海外での就業経験をできる良い機会であると考え、参加を決意しました。沖縄ツーリスト名護支店での国内事前研修、台北事務所での海外研修ともに、観光・旅行業界でご活躍されている多くの方々と直接お話をさせていただきました。そのなかで、旅行会社の将来性や今後社会に出て求められる力など、貴重なお話をたくさん伺うことができました。お話の中で、AI化が進むことで働き方が変わり、必要な人材も限られてくるため、社会から必要とされるような自分の価値を見出し、流行や時代の流れに速やかに対応していくことが求められることを学びました。また、研修を通して旅行会社の様々な業務を体験させていただいたことで、旅行会社の業務についても理解することができました。
約3週間現地で生活し、台湾の観光地や食事などに直接触れたことで、台湾についても理解を深めることができました。また、海外で研修したことで日本との働き方の違いも感じることができました。今回の海外インターンシップを通して、海外で働くことにより興味をもったと同時に、自身の就職を考えるうえでとても良い経験となりました。
沖縄ツーリスト会長、台湾事務所所長、台湾・大原旅行社の社員の皆様との食事会
「海外で働く」という貴重な経験ができた
前田万弥(国際文化専攻3年次、沖縄県立球陽高校出身)
派遣先:ハナツアー済州(韓国)
国内事前研修及び海外研修を通して、貴重な経験をすることができました。ハナツアー済州では、デスク業務の他に実際に多様なツアーに参加させていただき、お客様の立場から旅行商品について考える機会を多くいただきました。どんなに完璧な旅行商品を企画したとしても、運営が上手くいくかは分からないという旅行業の難しさを実感し、お客様に満足していただけるような企画・運営のどちらも大切な業務だと学びました。
また、留学で培った韓国語能力をより伸ばしたいと望んだインターンシップでしたが、まだまだ実力不足であることを痛感しました。私は将来韓国語を活かして仕事をしたいと考えているため、より努力が必要であると今後の学習に対するモチベーションにつながる機会となりました。複数の報告書作成を通しては、日本とは異なるタイピングなどのコンピュータの操作に慣れることができ、日本でも同様に、コンピュータスキルをしっかりと身につけたいと思いました。さらには今回インターンシップに参加したことで、将来の就職について考えさせられ、就職活動の準備を始めることができました。決して楽な仕事というものはなく、働くことは楽しいことだけでないというシビアなことも再確認できたと思います。
この経験を踏まえ、働き方など自分の仕事に対する価値観を見つめ直していきたいです。そして、この経験を今後の就職活動や人生設計に活かしていきたいと思います。
4週間お世話になったハナツアー済州の職員の皆様