第2回福知山公立大学・名桜大学 診療情報管理系学生交流会を開催
2019年10月23日(水)、名桜大学学生会館SAKURAUMにおいて「福知山公立大学と名桜大学診療情報管理系学生との学生交流会」を開催しました。昨年に引き続き、福知山公立大学医療福祉経営学科の星雅丈ゼミの一行12人が、沖縄研修旅行のプログラムとして名桜大学を訪問しました。本学からは2年次が2人、3年次が6人、教員4人の計12人が参加しました。
福知山公立大学は北近畿エリアにある唯一の4年制大学であり、学生数は500人弱、地域経営学部の単科大学です。2016年度に公立大学法人化し、学生の出身地は北海道から沖縄までに広がりました。2020年度には情報学部が新設予定で、ますます国際学群の経営情報学系と類似点の多い大学となります。
今回の学生交流会は、大学食堂前ピロティでのBBQからスタートしました。最初は緊張した面持ちの学生たちでしたが、お互いに調理した料理を分け合い、いつの間にか同じテーブルに座って打ち解けて行きました。その後、学生会館6Fスカイホールに移動し、15分間の準備時間を経て、即興での5分間大学紹介プレゼンテーションを行いました。続いて、本学の大城真理子上級准教授がファシリテーターとなり、模擬カルテ開示のロールプレイングを行いました。福知山公立大学3人、名桜大学1人が選出され、医師、診療情報管理士、患者、その父親の4つの役割を演じてもらいます。場面としては、①患者とその父親からのカルテ開示の請求、②医師と診療情報管理士の事前調整、③カルテ開示本番の3つのシーンがあり、15分ほどの練習時間をおき、ロールプレイを行いました。残った学生たちはそのロールプレイを周囲から観察し、気づいた点を記録用紙に書き込み、後ほどその気づきを発表します。
ロールプレイは、教科書を読んで考えるだけでは理解することができない当事者の複雑な気持ちを理解する効果的な教育技法です。実際のカルテ開示場面を演じることで、今まで気づかなかったカルテの記録の課題を意識化し、改善することができるのです。
ドクター役や診療情報管理士役を務めた学生は「知らない病名や薬名があって患者への説明に困った」と振り返りました。一方、ロールプレイを観察した学生からは、「カルテ開示は単に医師が一方的にカルテ内容を説明するだけは不十分」「診療情報管理士が患者側と医師側の気持ちを調整していた」「カルテ開示には、患者の不安を解消し、納得してもらうための根拠が必要」とのコメントが発表されました。患者役、保護者役を担当した学生は、「最初はこの難しい病気や薬のことはわからなかったが、医師の説明を聞き、丁寧に診療情報管理士が説明をしてくれたことがうれしかった」とコメントしました。
学生全員のコメントの後、大城真理子先生から「病院では、患者と医者の間で様々な誤解が生じやすい。診療情報管理士の役割をあまり理解していない人は、カルテ開示の際は単にカルテを患者側に渡せば良いと思っているかもしれませんが、患者の不安や誤解を解消するためのカルテであることを、今回のロールプレイを通して理解できたのではないでしょうか」と総括のコメントがありました。
終了時刻の21時を大幅に延長しましたが、解散したときの学生たちの顔は緊張も解け、笑顔でいっぱいでした。今後も学生交流会の機会を増やしていきたいと思います。
報告:木村堅一(国際学群 診療情報管理専攻長)
BBQを囲んで歓談する福知山公立大学と名桜大学の学生たち
即興で大学紹介をするという課題を受け、本番に向けて作戦を練る双方の学生たち
まずは名桜大学の学生から。
豊かな自然環境や充実した教育環境を紹介しました。
福知山公立大学の学生も大学紹介にチャレンジ。
北近畿唯一の4年制大学であることや、教職員と学生の距離が近いことを紹介しました。
大城真理子先生の指導の下、カルテ開示場面におけるロールプレイ講座がスタート。
役者に立候補した4人の学生たちが台詞を読み合わせています。
カルテ開示のロールプレイ本番。福知山公立大学と名桜大学の学生たちが、
診療情報管理士、医師、父親、患者それぞれの役割を熱演しました。
最後にロールプレイでの気づきを参加者全員で共有し、学生交流会は無事終了しました。