演舞「ダイナミック琉球」をやんばるの中高生から学ぶ～ユニークな中高大連携～
スポーツ健康学科では、毎年1年次学生を対象に、沖縄の伝統芸能を「スポーツ健康学演習」科目の一環として学びます。今年度は、今帰仁村に拠点を持つ、現代版組踊シリーズ「北山の風」の中高生のメンバーに、舞台のエンディングに踊る「ダイナミック琉球」を学びました。演習では、北山の風のメンバーである中学生と高校生を講師として招き、大学生を指導してもらいました。通常、「高大連携」というと、高校生が大学（生）に学ぶことを指しますが、今回は大学生が中高生に学ぶというユニークな企画です。講師の中高生が通う学校には公欠席の依頼をし、大学まで指導をしに来ていただきました。
受講したスポーツ健康学科の学生の感想は「中高生の舞の披露を見た時、自分もあのように踊れたら格好いいだろうなと見入ってしまった」「今まで様々なスポーツはしてきたがこのような踊りは全く経験がなかっただけにやりがいがあった」「最初は全く踊れませんでしたが、中高生の方が丁寧に教えてくださり複雑な空手の型の動きもできるようになりました」「クラスのみんなと団結して行う行事に頑張ろうと思えた」とポジティブなものばかりでした。
毎年恒例の卒業公演（現代版組踊シリーズは、高校3年生は年度末に引退）が2019年2月2日（土）に名桜大学多目的ホールで開催されました。「ダイナミック琉球」の指導をしてくれた「北山の風」のメンバーによる舞台がメインですが、その開演前、昼と夜公演の2回ともオープニング・アトラクションとして、スポーツ健康学科1年次の学生全員の演舞を披露する機会を与えてくださいました。北山てぃーだの会の保護者の方々と大学の担当教員たちは、直前まで彼らが上手く踊れるかハラハラドキドキしていましたが、スポーツ健康学科1年次の学生たちは本番に強いようで見事に踊りきって会場は拍手喝采でした。
来年度以降も、このユニークな中高大連携を継続したいと思います。この提案に快く同意し、全面的に協力してくださった北山てぃーだの会には、この場をお借りして厚く御礼申し上げます。
報告：小川寿美子（人間健康学部スポーツ健康学科 教授）
『北山の風 今帰仁城風雲録』オープニングアトラクションで見事に「ダイナミック琉球」を演舞！
参加学生の声
人に教える難しさを学びました
宇治橋愛純（スポーツ健康学科1年次、宮崎県立日向高校出身）
私たちは、約2カ月かけてダイナミック琉球の組踊を覚えてきました。初めて北山の風の組踊を見た時、誰もが踊れるはずがないと思いました。しかし、北山の方たちの卒業公演ということで、大学生として少しでも完璧に近づいたものを披露できるように、本番間近になると踊れる人が踊れない人に教え合うという光景が見られました。私は教える立場に回ったのですが、自分が一通りの流れではなかなか踊りが定着出来なかった事もあり、指導の際には一つの動作(パターン)ごとで教えるように工夫をしました。その結果、完璧に覚えていなかった人でも、部分ごとに覚えたので何とか本番を乗り切ることが出来ました。
組踊を通して、踊りを覚えるだけでなく、人に教えることの難しさも学ぶことが出来ました。私は将来体育教師を目指しているので、指導者という立場になった時の参考になる良い経験になりました。北山の風の皆さん、お忙しい中私達にご指導して下さってありがとうございました。
仲間との絆が深まりました
梅本和陽（スポーツ健康学科1年次、大分県立杵築高校出身）
私たちスポーツ健康学科は、2月2日に授業の一環で北山の風の皆さんの協力を経て、ダイナミック琉球を躍らせて頂きました。
私たちは、北山の風の指導のもと、何度も繰り返し練習をしました。その甲斐があり、歌が流れたら自然と体が動き出すほどになりました。本番前の舞台裏では成功させようという思いが皆の目からひしひしと伝わってきました。「ゆいさー！」という掛け声とともに舞台に上がり、本番ではダイナミック琉球以外の音は聞こえず、集中して楽しみながら踊れました。観客の皆様の拍手が聞こえたときは達成感が心の底から込み上げてきました。
この体験を通して、沖縄の文化を知れたし、仲間との絆も一層深まりました。スポーツ健康学科の仲間、舞台をセッティングしてくださったスタッフの方々、そして北山の風の皆さんに感謝したいです。ありがとうございました。