沖縄美ら島財団総合研究センター、名桜大学総合研究所共催シンポジウム
「サンゴ礁保全シンポジウム ~知る・共有する・発信する~」を開催しました
平成30年12月6日(木)、おきみゅー(沖縄県立博物館・美術館)において「サンゴ礁保全シンポジウム ~知る・共有する・発信する~」を開催しました。
このシンポジウムは、元名桜大学総合研究所所長であった西平守孝(現沖縄美ら島財団総合研究センター参与)によって、12年前から「サンゴ移植シンポジウム」として毎年開催されていました。今回は、サンゴの移植活動を含むより大きな視点でサンゴ礁を取り巻く様々な問題について広く理解を深めることを目的に、「サンゴ礁保全シンポジウム」と題し、行いました。
現在、世界中でサンゴ群集の減少とサンゴ礁生態系の衰退が進んでいます。シンポジウムではそれらの要因と考えられている開発や地球規模での海水温の上昇、さらには海ごみ問題など、さまざまな攪乱の影響や保全の必要性についてより多くの人に知ってもらい、そしてこれらの情報を共有・発信するというコンセプトで、5人の講師に登壇をお願いしました。
"海ごみ最前線"では、沖縄の漂着ごみの実態とサンゴ礁への影響、"南の島のミスワリン"では、サンゴ保全の取り組みの紹介、"沖縄美ら島財団におけるサンゴ類保全活動"では、水族館を通して守る活動を紹介していただきました。さらに、"沖縄のサンゴ礁の現状と海外での保全策紹介"では、世界規模で起こっているサンゴ白化報告と現状、パラオ共和国のサンゴ礁保全政策を詳しく説明してもらい、最後の講演 "さんご礁保全の未来とは"では、マイクロプラスチックがサンゴに及ぼす影響、サンゴの移植の目的をどこに置くかなどの問題提起をしていただきました。
その後の、ディスカッションでは各講師と議論を深めることができました。参加者からは「初めて聞く話や色々な話が聞けて、サンゴ礁の現状に興味を持てた」「学者と距離が近くて良かった」などの意見が寄せられました。最後の挨拶で西平守孝から"それぞれが自分の哲学を持つこと"というメッセージが寄せられ、物事に取り組む姿勢を改めて考えた方も多いのではと思います。
興味を持たれた方は、次回のサンゴシンポジウムへお気軽にご参加ください。
報告:山本 広美(一般財団法人沖縄美ら島財団 総合研究センター普及開発課)
各講師とのディスカッション
5人の講師による講演