一般財団法人沖縄美ら島財団総合研究センターでは、平成30年3月22(木)から25(日)の期間、サンゴワークショップ「サンゴの分類と同定2018」を沖縄美ら島財団総合研究センター視聴覚室にて開催いたしました。
本講座は、平成18年に当財団参与の西平守孝(当時名桜大学総合研究所所長)によって名桜大学で初めて開催され、今回が13回目の開催となります。日本近海に生息するとされる約80属の有藻性サンゴ(以下サンゴ)は、近年の分子系統解析手法によって大幅に変更されたため、サンゴの分類体系と従来の体系を対比するべく属レベルの分類・同定スキルの習得を目指すことを目的に、約800点のサンゴ骨格標本を詳細に観察し、学習しました。
まず、西平がサンゴの「科」ごとに含まれる「属」の特徴をスライドと手引書を用いて解説し、その後各受講者は、ルーペや実体顕微鏡を用いて観察用のサンゴ骨格の形態的な特徴を観察しました。今回のワークショップでは、昨年2017年に新属になったハグルマサンゴ属(Sinuorota sp.)の大変貴重な標本も並び、参加者の注目を集めていました。サンゴに興味を持つ学生をはじめ、環境調査や環境教育に従事する14人の方々が県内外から参加されました。期間中、特に分類や同定が難しい属(キクメイシ属、ハマサンゴ属)のサンゴについては、参加者同士で意見を交換しながら見分けるポイントを探すなど交流も見られました。
参加者からは、「大量の骨格(標本)を観察できる機会は貴重であり、多くの骨格、生サンゴを観察したいと思った」、「なじみの分類群に踏み込むきっかけとなった」というご感想をいただきました。平成30年度も本講座の開催を予定していますので、サンゴの属レベルの分類と同定を学びたいという方は、ぜひご参加ください。みなさんのご参加をお待ちしております。
報告:一般財団法人沖縄美ら島財団 総合研究センター普及開発課 伊藝 元
顕微鏡を用いてサンゴ骨格の観察
サンゴワークショップの様子