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平成29年度国際学群 交際文化専攻・語学教育専攻[現地実習 中南米スペイン語圏コース報告]

掲載日:2017年11月22日お知らせ , 学事報告

中南米スペイン語圏コース総評

 平成29年8月31日から9月15日の16日間、学生7人、引率教員1人の計8人でペルーのリマ、クスコ、プーノの3都市で実習を行いました。リマではパシフィコ大学、サンマルティンデポーレス大学、ラウニオン学校の協定校3校とペルー沖縄県人会などを訪問しました。サンマルティンデポーレス大学では現在本学から留学中の具志川七海さんがキャンパスを案内してくれました。
 ラウニオン学校では小学2年生の児童らと日本の遊びで交流を行いました。先生方も一緒に遊びに参加してくださり楽しく交流することができました。
 ペルー沖縄県人会では、沖縄に留学経験のある若者で結成された留学生OB・OG会「KIMUTAKA」とウチナーンチュアイデンティティとは何か、ゲームを交えながらディスカッションを実施しました。学生の中に沖縄出身者はいなかったので、ペルー生まれの沖縄県系人が「ウチナーンチュ」というアイデンティティを維持していることは驚きであったようです。
 次に、クスコではインカ期の遺跡を中心に訪問しました。オリャンタイタンボ遺跡、マチュピチュ遺跡、サクサイワマン遺跡などを見学し、精巧な石積み、高度な灌漑技術、天体運行に合わせて計算された建築物など、学生は当時の技術の高さを目の当たりにしたと同時に、車輪や鉄がなかった当時、巨大な石をどのように運搬したのかという疑問も湧いてきたとのことでした。
 プーノでは世界一標高の高い湖、ティティカカ湖に浮かぶ葦でできた浮島ウロス島と伝統的織物で有名なタキーレ島を訪れました。どちらの島も外国人は観光船でしか立ち入ることができないため現地の観光ツアーに参加して訪問しましたが、「文化の観光商品化」というのがひしひしと感じられるツアー内容で、文化とは何かを考察するうえで興味深い経験となったと思います。
 今回は沖縄移民、インカ文明、文化と観光という多様な視点からペルーという国を考察できる実習となりました。
総評:上原なつき(国際学群国際文化教育研究学系 准教授)
パシフィコ大学訪問

KIMUTAKAとディスカッション

講義では味わえない体験をする大切さ

山川 雄平(国際文化専攻3年次、福井県立大野高校出身)

 私は大学2年の春休みにコロンビアに1カ月間ホームステイをしました。滞在期間中、文化、自然、食べ物など日本では体験できない多くの素晴らしい経験を積みました。もう一度、南米に行きたいと思い、現地実習のスペイン語圏コースを選択しました。
 今回の実習ではペルーの3つの都市を訪問しましたが、特に印象に残っているのはクスコ周辺を訪問した時のことです。インカの遺跡に多くみられる石をぴったりと積み重ねた壁の上に、植民地期にヨーロッパ風の壁を建て加えたクスコの町並みはインカ帝国時代の面影とその後のスペイン人による侵略の影響を色濃く残していました。また、多くの謎が残る空中都市マチュピチュ、地殻変動により標高3000メートルまで海底が隆起したことでできたマラス塩田、段差を利用し様々な農作物を栽培していたアンデネス(段々畑)などの遺跡は圧巻でした。滞在中は様々な遺跡を巡り、移動はバスが多く、4000~6000メートル級の山々の景色は神秘的なものを感じました。
 今回の実習を通して、教室で座って聞く講義では味わえない景色や文化を身をもって感じることで、私たちは大きく成長しました。日本の文化のなかだけで生活してきた私たちにとって現地実習はどれも新鮮で素晴らしい体験でした。最後に、国際文化専攻の学生はもちろん、国際学群すべての学生にとっても良い経験ができると思うので、ぜひ参加して欲しいです。

オリャンタイタンポ遺跡から見下ろす村の様子

マチュピチュ遺跡にて

リマ、大統領府前にて

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