現在、日本の認知症高齢者の数は約462万人(2012年厚労省統計)おり、認知症の予備軍の人(認知症の一歩手前の段階)は約400万人で、高齢者の4人に1人は認知症あるいはその予備軍だと言われています。また、現在沖縄県では認知症高齢者は約3万9千人おり、この数はこれからも増えていくと予測されています。このことは、地域で認知症の人と関わる機会が増えることを意味しています。
そのような中、国の認知症施策「認知症施策推進総合戦略(新オレンジプラン)」の一つとして、認知症に対する地域住民の理解を深め、地域全体で認知症の人やその家族を支える環境づくりのために、「認知症サポーター」の養成が推奨されています。「認知症サポーター」とは、何か特別なことをするわけではなく、認知症に対する正しい知識をもち、自身のできる範囲で認知症の人やその家族に関わってもらう支援者のことです。
私は昨年認知症サポーター養成講座を開くことができる研修を受け、今年6月、同じ看護学科の永田美和子教授、有志の学生と共に、名護市の仲尾次公民館と為又公民館を訪れ、地域に住む高齢者に、認知症サポーター養成講座を行ってきました。なぜ学生たちと一緒にかというと、学生たちに認知症の方の対応についての「寸劇」を行ってもらうためです。寸劇では、認知症の人役と地域の人役に分かれ、悪い対応と良い対応の2パターンを行います。寸劇を行った学生たちは看護学科4年次で、高齢者と関わる経験も豊富だからでしょうか、見事にその役になりきってくれました。そのおかげで、講座を受けた高齢者の方に認知症の人への関わりを考えてもらうきっかけになり、2か所とも盛況に終わりました。学生の持てる力のふり幅が大きいことを実感しました。
地域で認知症の方がその人らしく最期まで過ごせる地域づくりのために、これからも学生とともに「認知症どさ回り講座」を続けていきたいと思います。
報告:吉岡萌(看護学科 助手)