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総合研究所健康科学部門シンポジウムおよび多目的グラウンド完成記念「陸上競技教室」を開催しました

掲載日:2017年2月27日お知らせ , 教育・研究活動レポート

 平成28年度総合研究所健康科学部門シンポジウムは、「オリンピックから考えるスポーツの価値~2020東京へ向け私達ができること~」をテーマとして、平成29年2月4日(土)に多目的ホールにて開催されました。第1部は、日本陸上競技連盟ディレクター兼2020東京プロジェクトリーダーを務められている山崎一彦氏(順天堂大学)をお招きし、「リオ・オリンピックから東京、そしてレガシーを残すために」とのテーマで基調講演が行われました。1964年に行われた前回の東京オリンピックへの準備段階として、当時の組織委員会が取組んだ課題を振返り、現在と変わりない課題が挙げられている実情が報告されました。日本陸上競技連盟では歴史を繰り返すまいと、新たな方向性を見出している過程が述べられました。それらは、近年の研究や調査に裏付けされたエビデンスに基づく取組みであることがデータとして紹介されました。また、ひとつの競技や種目に執着することなく、競技・種目間トランスファーを視野に入れることで、アスリートがパフォーマンス向上の可能性や視野を拡大することの重要性が報告されました。第2部では、山崎氏に加え、リオオリンピック4×100mリレー銀メダリストである桐生祥秀氏(東洋大学)、世界マスターズ陸上40歳以上100m銀メダリストである譜久里武氏(アスリート工房)の3人がシンポジストとして登壇し、2020東京オリンピックへ向けてのディスカッションを実施しました。山崎氏は指導者および競技団体としての強化の立場から、桐生氏は選手としての立場から、譜久里氏は沖縄のスポーツやスポーツを支える立場から、屈託のない意見交換がなされました。会場には、280人近い観衆が詰めかけ、質疑応答においても積極的な発言が見られました。2020東京オリンピック開催が決定されて以降、「オリンピックレガシー」というキーワードが頻繁に使われるようになっています。本シンポジウムは、山崎氏の基調講演をはじめ桐生氏および譜久里氏を交えたディスカッションから、スポーツ関連施設や記念碑などの有形なレガシーより、人々の心に残る、あるいは五輪を機に新たに生まれる思考や思想、行動などの無形なレガシーが重要であるというメッセージを残し閉幕に至りました。
 午後からは、比嘉良雄理事長、山里勝己学長をはじめ、多目的グラウンドを活用している課外活動団体(サッカー部・ラブビー部・陸上競技部)の代表や、桐生選手らも参列し、多目的グラウンドオープニングテープカットが催されました。オープニングテープカット後は、新設された多目的グラウンドにて完成記念イベントである、中学・高校生を対象とした「陸上競技教室」を開催しました。講師はシンポジウムに引き続き、桐生選手、譜久里選手、新たに加わった与那原良貴選手(東洋大学)の3人が指導にあたりました。参加者の保護者や見学者約60人が見守る中、本学陸上競技部のサポートのもと、中学・高校生85人、飛び入り参加の小学生15人が参加しました。桐生選手は、速く走るためにはジャンプする能力が必要とレクチャーし、デモンストレーションを行いながら、ハードルをジャンプして越えていくトレーニングを紹介しました。桐生選手のジャンプ能力の高さに参加者から驚きの声が聞かれました。トレーニングの締めくくりは50mダッシュでしたが、桐生選手も一緒に参加者と走り、気付いた点を細かくアドバイスしていました。教室の終わりには、参加者による質疑応答が行われ、走るときに意識している点や、緊張をほぐすためにどんなことに気を付けているかなどの質問が投げかけられました。オリンピック銀メダリストから実際にレクチャーを受け、一緒に走れたことは参加した中学・高校生に大きな喜びと勇気を与えるものとなりました。
 最後に多目的グラウンド建設は、構想から完成まで実に6年もの歳月を要しました。完成に至るまで幾多の困難に遭遇しましたが、比嘉理事長、山里学長の支えがあり今日を迎えることができました。また、前学長である瀬名波榮喜先生、前スポーツ健康学科長である向山貴仁先生のご尽力があったからこそ、多目的グラウンド建設が実現したことは明らかです。先生方に深く感謝するとともに、ご支援ご協力をいただいた関係する皆様へお礼を申し上げ、報告とさせていただきます。
報告者: 小賦 肇(人間健康学部スポーツ健康学科上級准教授)
シンポジストのみなさん
(左から譜久里選手、桐生選手、山崎氏、筆者)
多目的グラウンドオープニングテープカット 「陸上競技教室」の様子
イベント「陸上教室」にて速く走るためのトレーニングの指導を受けている様子

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