現地実習ハワイコース総評
語学教育専攻の現地実習は、昨年同様、ハワイ大学マノアキャンパスで実施されました。
昨年と異なるのは琉球大学が2年に1度の実施であるため、今回は名桜大学単独での現地実習となったことです。昨年の16人に比べ参加学生は6人と少なめですが、昨年同様のスケジュールで楽しい充実した日々を過ごすことができました。
午前中はハワイ大学の教員によるハワイの文化、言語、歴史を学ぶ講義、午後は時に講義やホノルル市近郊のツアーが入ったりします。体験学習ツアーで印象的なのはやはり、ポルネシアン・カルチャーセンターでしょう。隣接するブリガムヤング大学ハワイ校の学生へ奨学金や仕事の場を与えることを目的としているため、文化を紹介するのはすべて学生です。観光客へ自身の文化を紹介する機会がアイデンティティ確立の場ともなっており興味深いですし、プランテーション・ブリッジも各国からの移民ともども沖縄移民の歴史が学べる場です。沖縄と似た悲しい歴史をもつハワイですが、様々な民族が独自の文化を大切にしながら共存する様は、何度も見ることができたハワイにかかる虹のように美しく感じました。参加した学生も英語だけではなく、移民の歴史や混ざりあう文化に多くを学んだことでしょう。
総評:与那覇 恵子(国際文化教育研究学系 語学教育専攻 教授)
ハワイ大学マノア校での2週間の現地実習は、参加した名桜大学の学生にとって英語力向上だけでなくハワイの文化と歴史を学ぶ素晴らしい機会を提供してくれました。学生は英語で行われる講義で、王国から米国併合までのハワイの複雑な歴史について学ぶとともに、ハワイのダンス、音楽、芸術、そして平和教育について学びました。とりわけハワイの言語についての講義は興味深く、その言語が消滅の危機にある沖縄出身の学生にとっては貴重な学びとなったことと思います。講義の他に移民の歴史を学ぶプランテーションブリッジやポルネシアンカルチャーセンター、パールハーバーなどを訪ねましたが、パールハーバーでは真珠湾攻撃での戦死者を慰霊し戦争の悲劇について考えることができました。自由時間にはそれぞれでホノルルのビーチを楽しみ、モールや本屋で買い物、大学のカフェではハワイ大学の学生達と食事を共にすることができました。「もっとハワイにいたい」と帰国時に口々に言っていたということは、この現地実習が成功裡に終了したということを意味します。この実習での学びが彼らのこれからの英語力向上に寄与し、英語を通して世界の国々やその文化を学びたいとの動機づけになることを期待します。
総評:Norman Fewell (国際文化教育研究学系 語学教育専攻 上級准教授)
ポルネシアンカルチャーセンターにて | パールハーバーにて |
ハワイでの実習から学んだこと 仲村 亜希(語学教育専攻3年次、沖縄県立首里東高校出身)
9月5日(月)から18日(日)の約2週間、現地実習としてハワイに行きました。今回の現地実習での経験は、私の想像していたハワイのイメージを大きく変え、私が考えていたよりさらに深い魅力のある島だと思いました。様々な場所で色々な経験をし、たくさんの人と関わるなかで、ハワイという島に私自身とても魅了されました。私達は留学生専用の寮に滞在し、基本的に講義は午前中と午後に1コマずつで、授業形態は私達のみの少人数講義でした。授業内容はすべて興味深く、ハワイについてはもちろん、沖縄についても学ぶことがあり、また違う視点から沖縄を学ぶことができました。また実際にハワイの文化を体験できる講義などもあり、体を動かしたり、作業したりすることで、さらに印象深い経験になりました。私達が滞在したハワイ大学マノア校は様々な学科と施設、広大な敷地とたくさんの学生がおり、自由で個性あふれる場所でした。私達の名桜大学とはまた違う楽しさや雰囲気を感じることができました。
フィールドトリップでは、ポルネシアンカルチャーセンターやパールハーバー、美術館やダイヤモンドヘッドなど、ハワイの文化や歴史に触れられるような様々な場所に行きました。私達にとって新しいことばかりで、どこもとても印象深く良い思い出ばかりです。今回のハワイでの現地実習を通して、実際に現地に行って体験し、学ぶことの大切さやその大きな価値を感じることができました。ハワイの人やその人たちが築いてきた歴史や習慣などは、2週間で全て学べることではないと思っています。沖縄に帰って来てからのまとめ学習や今後の学習を通して、ハワイについてさらに深く知ることができればと思っています。どこに行こうとも、何をしようとも、どのくらいの期間行こうとも、その経験を深めそして素晴らしいものにするのは自分自身だと思います。ハワイでの一つ一つの経験が自身の今後に生かされるよう、頑張っていきたいです。
ダイヤモンドヘッドにて記念写真 | ドラマを演じることで人種差別問題を 肌で学びました(右端が筆者) |