平成28年度国際学群インターンシップ報告
名桜大学では、開学時より全国に先駆けインターンシップをカリキュラムに取り入れ、第1期生が3年次を迎えた平成8(1996)年度より実習を開始して、今年度で21年目を迎えました。国際学群のインターンシップでは、大学で学んだ知識と理論を実社会における実習を通して体験的、実践的に検証することにより、職業人としての自覚を促し応用力を養うことを目的としています。
科目構成としては前期講義科目「インターンシップ基礎」(2単位)と、夏期休暇期間中2週間の実習ならびに帰学後の実習報告を行う「インターンシップ実践」(4単位)の計6単位となっており、受講生達はのべ7ヶ月に渡りインターンシップに取り組むことになります。このうち「インターンシップ基礎」では職業興味検査に基づく自己分析、業界・企業研究、ビジネスマナー講習等を通じて働くことの意味と自己の適性を考え、実習と就職活動に向けた心構えを培いました。また実習先配属後はゼミ指導教員の協力を得て履歴書・誓約書の作成を行い、各自の実習計画と実践行動目標を設定して実習に臨みました。今年度は「インターンシップ基礎」に139人の受講があり、うち122人が「インターンシップ実践」へと進んで国内69機関にて実習を行いました(実習期間:8月22日~9月2日、実習先機関によっては別日程で実施)。
今年度も沖縄県内外の行政機関、マスコミ、金融機関、製造・流通業、情報・通信業、観光・旅行業、そして医療機関等さまざまな企業・機関より格別のご高配を賜り、実習生達は大変濃密で充実した職場実習をさせていただいたようです。その体験と学びの多様性・希少性については、実習生より提出された実習記録簿と実習報告レポートから窺い知ることができます。
無事に実習を終え一段と成長した実習生達の成果報告会が10月26日(水)に実施されました。当日は12機関14人のご出席を賜りました。実習期間中のご指導のみならず、実習生の報告に対するご指摘やアドバイスもいただき、実習生達にとっては、これからの学生生活の中で取り組むべき課題を考える良い機会になったと存じます。報告会では教員審査に基づき7会場から2人ずつ計14人の優秀報告者が選出されました。以下に優秀報告者のコメントを掲載しています。ご参照いただければ幸いです。
最後になりましたが、実習生を受入れご指導くださった実習先機関の皆さまに心より感謝申し上げます。また講義・講演でお世話になった学内外講師、各ゼミ指導教員ならびに教務課・キャリア支援課職員の方々、本プロジェクトの実施にあたりご協力いただいた全ての皆さまに厚く御礼申し上げます。
総評:国際学群平成28年度インターンシップ担当 金城 亮(経営情報教育研究学系 教授)
発表の様子 | 発表の様子 |
報告後のふりかえり | |
優秀報告者賞を受賞した学生一同 |
受賞学生の声
地域経済の潤滑油「おきなわサービサー」
井手 美穂里(経営専攻4年次、長崎県立長崎北高校出身)
私が実習をさせていただいたのは、㈱沖縄債権回収サービスです。会社説明会を受けて興味を持ち、志望しました。様々な部署で実習をさせていただき、債権の管理・回収の仕組みやサービサーの社会的な役割、また、働くことへの姿勢等、多くのことを学ぶことができました。同時に私の知識の未熟さを知り、経営専攻での学びへのモチベーションを高める機会にもなりました。インターンシップ基礎の講義も含め、この経験は今後進路決定をしていくにあたってなくてはならない経験となりました。実習先の担当者の方をはじめとする社員の方々はもちろん、ご指導してくださった先生方や発表の練習に付き合ってくれたゼミのメンバーにとても感謝しています。
地域貢献を目指す「沖縄銀行」
山城 拓也(経営専攻3年次、沖縄県立読谷高校出身)
私は株式会社沖縄銀行で実習を行いました。実習内容は本店でのプロジェクト型のグループワーク、銀行業務の概要などの座学、営業店での業務体験など多岐にわたり、また他大学と合同のインターンシップだったので、学生同士刺激し合いながら実習を進めていくことができました。実習を通して銀行業務の理解が深まり、就職活動に対しても大きく意識が変わっていき、自分の成長を大きく感じています。株式会社沖縄銀行様をはじめ、インターンシップ担当の先生方、ゼミの先生など多くの方々のおかげで充実した実習をおくることができました。この経験を活かしてこれからの大学生活・就職活動にも大きく役立てていきたいと思います。本当にありがとうございました。
琉球銀行がお客様に選ばれ続けているわけ
砂川七菜花 (経営専攻3年、沖縄県立八重山高校出身)
私は8月22日から9月2日まで株式会社琉球銀行で実習を行いました。主な実習内容は、講義、営業店実習(内間支店)、グループワーク・発表です。実習を通して、琉球銀行の業務はお客様とのコミュニケーション能力や、素早さ、正確さを重要している点から、長年信頼されている理由なのだと感じました。グループワークでは、スムーズに話し合いが行われるように努めることで、最優秀賞を受賞することができました。また、全体のカリキュラムを通して、社会人は目的遂行のために限られた時間を有効活用していることに気づけました。今後は就職活動に向けて積極的に行動し、成長していきたいです。ありがとうございました。
ハート溢れる南城市
神里 鈴香(情報システムズ専攻3年次、沖縄県立向陽高校出身)
私は沖縄県南城市役所で実習を行いました。実習を行う前は、市役所の職員の仕事と言えば窓口業務が多い印象を持っていましたが、今回の実習では財政課でウェブサイトの改善提案書を作成させていただいたりと、市民と関わらない業務をすることが多く、自身の認識がとても狭いものだったことを知りました。実習中は職員の皆さんとたくさんお話することができ、南城市役所で働くやりがいがひしひしと伝わってきました。また、現在大学で学んでいるWebコンテンツを作成する知識と技能を活かせるような実習もさせていただき、自らが持つ知識に自信を持つことができました。今後の学生生活では、この自信を過信にせず原動力としてもっと積極的に学んでいこうと考えています。南城市役所職員の皆さん、今回は貴重な経験を沢山させていただきありがとうございました。
あなたのハートにRock on ! イオン!
長谷川 愛(経営専攻3年次、鳥取県立倉吉西高校出身)
私はイオン琉球株式会社 GMS事業部(名護店)で実習させていただき、衣料部門にて、地域に密着した売場作りと販売を学ぶことができました。お客さま第一の販売を行うためにはまずお客さまのことを知っていることが前提にあり、そのためには情報・データが必要であると実感しました。実習前、販売・接客は人との関わりが中心な業種だと思っていました。しかし実習を終えて、地域顧客や商品の情報と向き合うことの重要さを知り、販売・接客業に対する概念が大きく変わりました。今後の学生生活では、情報収集力と情報選択力の向上を目指していきます。多忙な中丁寧にご指導して下さったイオン琉球名護店の皆さまに深く感謝申し上げます。
協働による村づくりを推進する渡名喜村役場
鈴木 若奈(観光産業専攻3年、静岡市私立・静岡英和女学院高校出身)
沖縄らしさが色濃く残る離島と政策に興味を持っていた私は今回、那覇から北西約60kmにある渡名喜村役場の経済課にて実習を行いました。実習中は主に商工観光係や、地域おこし協力隊の方々と共に、村の観光振興についての業務を行いました。渡名喜村の環境や観光開発の考え方を通して、離島の役場の業務と役割を学ぶことができました。また、新しい経験や価値観との出会い、自己の社会的評価の再認識は今後の進路を選択する上で大変貴重な時間となりました。実習での経験を、今後の大学生活や就職活動に生かしていきたいと思います。最後に、お世話になった渡名喜村役場、指導してくださった教員と職員の方々にお礼を申し上げます。
感動を届けるサマンサタバサグループ
内藤 夏綺(観光産業専攻3年次、茨城県立藤代高校出身)
私は、株式会社サマンサタバサジャパンリミテッド、サマンサベガ成田国際空港第1旅客ターミナルビル店で実習を行いました。今回4月から半年間努力してきた結果が優秀報告者賞という形になってうれしいです。実習先では、スキル取得や向上のためにロールプレイングを行い、以前よりも話す力は伸びたと感じました。実際にお客様と接することで、働く意義や自分自身の価値観について、机に向かうだけでは得られない発見もありました。このような成長する機会を与えて下さった実習先の皆様と、サポートして下さった「はばたくウチナーンチュ応援事業」の皆様、インターンシップ担当教員の先生方、本当にありがとうございました。今後はこの貴重な経験を勉学と就職活動に活かしていきたいと思います。
活字の力で社会貢献
関口 琴乃(経営専攻3年次、岩手県立宮古商業高校出身)
私は、株式会社沖縄タイムス北部支社でインターンシップを行いました。実習では、取材に同行させていただいたり、記事の書き方を教えていただいたりと、記者の仕事について学ぶことができました。また沖縄タイムスは、地域で起きていることの真実・市民の声を発信して社会に貢献していることが分かりました。そして、働くということは誰かのために貢献することであると気付くことができました。今後は、新聞を活用し、どのように社会貢献していきたいかをイメージしながら就職活動に励んでいきたいと思います。
大変お忙しい中、実習を受け入れ親身にご指導してくださった、沖縄タイムス北部支社の皆様に心より感謝申し上げます。
回復期リハビリテーション病棟における診療情報管理士の役割
城間 理瑳(診療情報管理専攻3年、沖縄県立伊良部高校出身)
私は医療法人タピック宮里病院で実習を行いました。実習生の受け入れが今回初とのことで、病院側が実習生の希望を優先してスケジュールを組んでくださいました。診療情報管理士の仕事だけではなく病院内で働くスタッフの方々と交流し、それぞれの役割が病院にとって欠かせないものであることを教わりました。「患者様のために」を根幹に、互いの役割がかみ合わさって地域住民に信頼される病院になっていると感じました。お忙しい中、宮里病院の方々には大変お世話になりました。貴重な経験をさせて頂けましたことに心から感謝申し上げます。今回学んだことを今後の活動に活かして、学生生活、卒業してからも、より良いものにしていきたいと考えております。
企業存続に欠かせない存在のコンサルタント
中川 千夏(経営専攻3年次、三重県立飯野高校出身)
まず、実習先として受け入れてくださったブルームーンパートナーズ株式会社の皆さま、並びにご指導頂いた先生方に深く感謝致します。インターンシップ事前講義や実習を通して、自身の見方や社会や企業を見る方法を学びました。また、実習先では財務分析の仕方やコンサルタントはコミュニケーションを取ることで初めて業務が進行するということなどを学び、自ら狭めていた視野が広がり、働くということを前向きに捉えられる様になりました。今後は講義や実習で学んだ事を活かし、一から自分を見つめなおして進路選択していこうと考えています。
マリオットスタンダード~統一されたサービス提供のために~
大野 和貴(経営専攻3年次、沖縄県立石川高校出身)
この度はお忙しい中インターンシップに受け入れていただいたラグーンリゾート名護の皆様、誠にありがとうございます。実習先では、接客にあたっての言葉遣い、立ち方、表情の作り方などを学び、実際に受付や案内業務を行わせていただきました。また、どのお客様にも「時間」を気にせず過ごしていただけるように統一されたサービスなど、マリオットグループのホスピタリティについて学ぶことができました。それに加え、将来の就職に対するビジョンを明確にすることができました。今回学んだことを活かしていき、自分の納得のいく就職活動ができるように、今後の学生生活を有意義なものにしていきたいです。
特定機能病院での診療情報管理士の役割
中島小太朗 (診療情報管理専攻3年次、大分県立中津北高校出身)
私は琉球大学医学部附属病院のがん登録センター、診療情報管理センターの部署で実習をしました。琉球大学医学部附属病院はがん診療連携拠点病院であり、沖縄県の中心的な役割を担っています。実習では、診療情報管理士の業務が物の管理(カルテの保管)、コーディングだけではないという事実を知り、将来現場で働くために今やるべきことを再確認することができました。今後は2月の診療情報管理士認定試験に向けた勉強に励み、卒業後は診療情報管理士として、実習で学んだことを活かし、社会に貢献していきたいです。
すべての人の満足のために
篠原圭 (経営専攻3年次、徳島県立川島高校出身)
私は、イオン琉球株式会社のイオン名護店にて品出し業務などの実習をさせて頂きました。実習にあたって最も心掛けたことは、「ただの無償のアルバイトで終わらないようにすること」でした。グローカルを目標にしているイオン琉球は、国内のお客様だけでなく、国外のお客様のニーズにも冷静に対応していました。実習を通して私は、常にお客様目線で客観的に考えて行動することが大切であるということを学びました。また、品出し業務作業でもお客様と関わる機会があり、コミュニケーション能力を鍛えることができました。後輩のみなさんは、自分なりの誠意を持って頑張ってくれたらと思います。今後は実習で培った積極性を就職活動に活かしていきたいです。
北谷町への観光客増加に向けた取り組み
山城椋 (情報システムズ専攻3年次、沖縄県立コザ高校出身)
私は北谷町役場の商工観光課で実習を行いました。商工観光課では主に北谷町の観光に関する内容を学び、観光客数増加に向けたプランの提案をしました。沖縄県商工会連合会を訪れた際には連合会の役割や一括交付金の使い道などを学び、北谷町観光情報センターでは、観光客の問い合わせに英語で対応をするのが難しかったです。実習の後半には、北谷町の観光について実習で学んだことを活かして、観光客誘致プランを提案しました。プランを作成する際には、集めた情報を基に根拠を持つことが重要だと学びました。また、根拠を基に物事を考えることは、今後の卒業論文や就職活動に活かすことができると感じました。今回インターンシップを受け入れていただいた北谷町役場の皆様、誠にありがとうございました。