アジア国際学生会議(通称GPAC)は、アジア太平洋の地域の発展と友交関係の構築に貢献する国際的リーダーの育成を目的としたプログラムです。韓国、日本、台湾、中国、ベトナム、イスラエルの各国の学生が学術交流や文化交流を通じて親睦を深め、国際感覚を養います。
今年は、8月20日(土)から26日(金)、韓国のソウル市でGPAC2016が開催され、本学から7人の学生が参加しました。GPAC2016参加学生から寄せられた総評および体験記と、GPAC2016を担当した高嶺司国際交流センター長の所感を紹介します。
勉学のモチベーションアップへ~GPACを経験して~
2016年8月20日(土)から26日(金)に約半年の準備期間を経て、韓国で行われたGPAC 2016 in 韓国(Seoul)の全日程が終了しました。今年度のプログラムには合計7人の名桜大学生が参加し、5月初旬頃から準備に取り掛かってきました。私たちメンバー全員にとって、英語で学術論文を執筆するのはもちろん、名護市内の事例となる企業や団体を対象としたフィールドワークを実施し、英語での国際会議プレゼンテーションを準備する作業は、いずれもこれまで経験のなかったことであり、とても困難な作業でした。しかし、論文執筆のための資料を探し、様々な企業や団体に対して調査をすることで、今まで知らなかった名護市の歴史や、現状、課題を知ることができました。
本学チームはソウルでのGPAC会議本番で、「U.S. Base-related Economic Stimulus Projects in Nago City: A Case Study of the Economic Effects of an IT, Communications, and Financial Services Zone and an Agricultural Park Project(名護市における米軍基地関連産業振興プロジェクト -- 金融IT特区と名護アグリパークの経済効果を事例として)」をテーマに英論文の口頭発表をしました。GPACへ参加するのはアジア各国の名門大学ばかりで緊張もありましたが、いざ韓国に到着してみると、ホスト校のソウル国立大学の学生や、その他アジア各国または日本からの学生たちと、和気あいあいとコミュニケーションを取ることができ安堵しました。期間中はソウル市内ツアーや地元の有名な化粧品メーカーなどを見学させていただき、韓国の文化や歴史などを学ぶことができました。また、宿泊先では各部屋、様々な国の学生が相部屋となっていたので、お互いの国を紹介したり、お互いが持っている国に対してのイメージの話で盛り上がりました。このように率直に色々な話ができるのもGPACの魅力です。そして、会議1日目が始まり、程よい緊張感に包まれながら、半年間の準備の成果を出すことができました。審査でアドバイスをくださった他大学の教授の言葉も、厳しいものではありましたが、今後の進歩に大いに役立つものでした。会議二日目、多国籍編成即席発表会に関しては、他大学の学生の知識やスキルの高さに圧倒された1日となりました。GPACを通して、他国・他大学の多くの優秀な学生に囲まれ、彼らのスキルの高さに圧倒され高い壁を感じたことにより、逆に、私の勉学に対するモチベーションは非常に高まりました。
最後に、準備期間から多くの指導やサポートをしてくださった高嶺司先生、ノーマン・フィーウェル先生、メーガン・クックルマン先生、伊佐正さん、そして何より約半年間、一緒に大変な思いをしながら辛抱強く頑張ってきたGPAC2016メンバーの皆に、心から感謝を申し上げます。
GPAC2016名桜大学チームリーダー 知念 恵美 (国際学群2年次、沖縄県立糸満高校出身)
「これからの飛躍に大いに期待」
2016年度のGPAC in 韓国が無事終了しました。参加した名桜大学の学生メンバーにとって、本学での準備開始からソウルでの一週間の会議にいたるプロセスは、自己の能力のすべてを出し切ることを要求される、困難かつ斬新な半年間だったかと思います。妥協せず自らの限界を明確に認識できたとき、人は進歩への意欲をかきたてられます。GPAC事業を通して経験した、限界、辛さ、苦しさ、葛藤、達成感、感謝、そして友情を糧にして、参加学生のそれぞれが自分の目標と進路へ向かって、これから大いに飛躍してくれることを期待しています。ノーマン・フィーウェル先生、メーガン・クックルマン先生、伊佐正さんはじめ、今回名桜大チームを支援してくれたすべての教職員の皆様へ感謝いたします。加えて、GPAC事業の趣旨をご理解いただき、参加学生たちのフィールド調査に快く応じ、英論文作成に欠かせない情報やデータをご提供いただいた 名護市の企業、団体、自治体の担当者のみなさまへ深くお礼申し上げます。
GPAC2016チーム監督 国際交流センター長 高嶺 司
GPAC2016の参加者全員で記念写真 | GPAC2016へ参加した名桜大学メンバー一同 |
GPAC2016inソウルに参加して
私たち名桜大学GPAC2016チームは結成後、数ヶ月をかけて学術論文の概要について学び、構成や書き方、そして論文に必要なデータ収集の方法など、GPAC 活動を通して本当に多くのことを学びました。多くの先生方にアドバイスをいただき、今回の論題である「名護市における米軍基地関連産業振興政策」に関する知識を、今までより更に深めることができました。開催地の韓国(ソウル)へ行くまでは不安でいっぱいでしたが、実際ソウルに行きアジア各国から集まった大学生たちと言葉を交わすことで、さらに色々なことを経験し学ぶことができました。私は経済に関して無知でしたが、他大学の経済学部の学生たちと会話したことで、これからは国内外の政治経済情勢に興味をもち、視野を広げていきたいと感じました。また、言語の素晴らしさを再認識する機会にもなりました。今回GPACに参加したアジア各国の大学生たちは、第2言語として英語を学んでいますが、その英語を使って伝えたいことを難なく伝えられるということは非常に刺激をうけました。GPAC2016での経験や学びを活かして、これからはさらなる英語力と専門的知識の向上を図り、韓国で出会った多国籍の友人と将来またいろいろな話ができたたらいいなと思います。
GPAC2016チームリーダー、英論文プレゼンター 知念 恵美 (国際学群2年次、沖縄県立糸満高校出身)
今回のGPACでは、私は英論文プレゼンターとしての役割を担いましたが、数ヶ月の英論文作成期間中は、ゴールの見えない壁にぶつかっていました。名護市内のフィールドワークに出かけてのデータ収集やインタビューから得られる情報が、どういう方法で、一体どうやって論文の仮説や構成に繋がるのか、更にはそれをまとめ論述することが非常に困難でした。草稿を書いて、何度も修正しながら試行錯誤を重ねました。しかし、それでも学術的論文の様にはなかなか纏まらず、どうすれば良いのか全く分かりませんでした。結局、私たちメンバーがスイッチを切り替え、本気で動き始めたのは本番から一月前でした。焦り、不安、悩み、葛藤と格闘し、準備期間はとても過酷な日々でした。しかし、本番のプレゼンでは、多少うまくいかない部分もありましたが、全体的にはとても満足できるパフォーマンスでした。アジア各国のトップレベルの大学の学生たちには常に圧倒され、経済分野のケースセッションでは、全く口を開くことが出来ずに、「自分は何故こんなにも無力で、何も出来ないのか?」と猛烈に頭を抱え込みました。しかし、辛かった面とは裏腹に、幸せで、かけがえのないものもGPACを通して見つけました。それは「絆、友情、人との繋がり」です。参加するアジア各国の学生は個性豊かで、とても親切で、頭脳とはまた別に素晴らしい人間的な一面を持っていました。また参加大学の教授陣らも発表論文について、心温かいアドバイスやフィードバックをたくさんもらいました。私は名桜大学のGPACというプロジェクトは「英語」を重視するためのものではなく、学術的論文を作成する意義、様々な分野の学問に打ち込み、それらの能力を大きな舞台で、様々な人々の元へ活用させることを気付かせるためのものだと強く実感しました。自分たちが今まで持っていた「英語脳」から脱却しないといけないと感じました。あくまで英語はコミュニケーション手段であり、コミュニケーションの中身となる専門知識や能力がなければ、あまり意味がないと感じました。最後に、何度も挫折し、辞めたくなることがありましたが、私を支えてくれたチームメンバー、高嶺司先生、伊佐正さん、ノーマン先生、メーガン先生、その他励ましてくれた友人や両親に、多大なる感謝を申し上げます。GPACで得た貴重な経験が今後の自分の人生の糧となることを強く願います。
GPAC2016英論文プレゼンター 高田 大嗣 (国際学群2年次、愛知県・中部大学春日丘高校出身)
私はGPAC2016の副リーダーでした。しかし、GPAC準備期間中はやることすべてが初めてで、うまくチームをまとめることができませんでした。私は英論文作成にもあまり貢献できず、先生の叱咤激励や支援がなければGPACまで続けることはできなかったと思います。論文作成や、チームで行動する時どのような振る舞いをすれば良いのか、今回GPACの経験を通して学ぶことができました。
GPAC本番では、将来、国や会社のトップに立っていくアジア各国の学生たちと交流することができました。そういう人達の考えやスペックの高さも知ることができました。GPACを通じて、今まで私になかった考えを知ることができました。またこれまでになかった多くの同年代の人脈も作れたと思います。GPACの準備期間から本番までを振り返ってみると、GPACは私に素晴らしい経験を与えてくれたと思います。また、学術に特化しているプログラムなので、今後の大学生活における知的好奇心を刺激される良い機会となったと思います。
GPAC2016チーム副リーダー 鞍谷 駿 (国際学群1年次、山梨県立富士河口湖高校出身)
GPACを通して、私にとって特に貴重な経験は2つありました。1つ目は、アジアのトップレベルの学生の専門的知識の量と、それを発信し、さらに考えを深めるためのコミュニケーション手段としての英語力の高さを実感したことです。2つ目は、互いに違う文化を持ちながら一週間寝食を共にする中で、自然と出てくる文化や、数多くの思いやりに触れたことです。初日に行われたウェルカム・パーティーでは、チームメイトの一人が自国の伝統的なプレゼントをくれ、そこにはfriends who support each other with whole energyという文が書かれていました。実際に関わることでしか感じることのできない、その国の魅力的な文化に触れ合うことができ本当に感銘を受けました。GPACに参加したことで、名桜チームのメンバーや海外の学生との友情を築くことができました。また、英論文作成を通しては、努力の量で得られるものや見える世界が変わってくるという大切なことを学びました。GPACに関わったすべての人に感謝し、この経験を自分の力に変える努力をします。
西村 奈々(国際学群語学教育専攻3年次、鹿児島県立与論高校出身)
これまで一度も海外に出たことがなかった私がGPACに参加したきっかけは、自身の海外への強い憧れでした。英語でのプレゼンやコミュニケーションの特訓、データ収集のための名護市内でのフィールドワーク、そして大掛かりな英論文執筆や深夜・早朝に及ぶプライベートを問わないGPACの準備期間はとても大変でした。しかしそこでは、私たち学生は社会に支えられて学んでいるということを真に実感する場面が何度もありました。
GPACでは、異なる言語を母語とする、国籍の違うアジアのトップ大学の学生たちが英語によってすべての意思疎通を図っていました。自分もそこに参加することによって、世界共通語としての英語を実体験し、英語によって外国に多くの友達を作ることができました。多国籍チームでのプレゼンは圧巻でしたが、GPACに参加し、アジアトップの学生たちの力を前にして、自分のスキルアップのヒントや新しい世界を得られたと思います。たくさんの方々に感謝し、この経験を今後の人生の糧としたいと思います。
溝口 史野 (国際学群1年次、広島県立尾道北高校出身)
今回のGPAC2016の参加は一年生の私にとって新しい経験ばかりでした。初めて英語で論文を作成し、様々な場所へ赴き論文のための情報やデータ収集を行いました。本番当日では先輩方がプレゼンターとして素晴らしいプレゼンをしてくださいました。日本でもレベルの高い他大学や、アジアから参加している有名大学にも引けをとらない名桜大学チームの先輩方の発表をみて、私も近い将来、先輩方のような自信を持った発表が出来るようになりたいと感じました。他国籍で集まって行うケース・コンペティションでは各大学の学生たちのレベルの高さを感じました。英語が得意でない私は、ただひたすらメンバーの話す内容についていくのに必死でした。また、メンバーの専門知識の深さと、それに関連する専門的な英語力の高さには、ただ圧倒されるばかりでした。今回の参加で様々な人と関わり合いをもったことや、英語で行われる国際会議に実際に参加して得たことが、今後の大学生活に少しでもポジティブに繋がればいいと感じています。また、GPACに参加するにあたって多くの方々にサポートしてもらったことに深く感謝したいと思います。
橋本 歩季 (国際学群1年次、三重県・鈴鹿高校出身)
GPAC準備期間は期末テスト、部活動のイベントとも重なり、とてもハードなスケジュールでした。当初、私は何をしたらよいかよく分からず、周囲に迷惑をかけていたと思います。それからできる限りのことはやったつもりですが、今振り返ってみると、もっとチームに貢献できたのではないかと思います。
他大学の学生のプレゼン能力を見て、その語学力、知識力に圧倒されました。また多国籍で編成されたチームごとで行うケース・コンペティションの時は、自分の知識の無さを感じました。しかし、その時の多国籍チームの学生たちは私が分からないことを説明してくれ、何をしたらよいかも教えてくれたので私はなんとか役割を発揮することができました。そしてチームが発表を終えた時は、大きな達成感を得ることができました。GPACを通して生涯の友人にたくさん出会えました。また、自分の視野が広まり、これからの学生生活での目標を定めることもできました。GPACに参加できて、本当に良かったと思います。
吉原 朋 (国際学群1年次、熊本県・熊本国府高校出身)