沖縄の公立大学 名桜大学(沖縄県名護市)

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広報誌48号

掲載日:2016年10月13日ライティングセンター

ライティングセンター始動!

~ライティングセンターでは添削を行いません~

リベラルアーツ機構ライティングセンター
准教授 真喜屋 美樹
チュータリングの様子
昨年度より開室の準備を進めていました名桜大学ライティングセンター(MWC)は、今年2月に国際学群・人間健康学部より学部生チューター17人を採用し、春休み中の集中トレーニングを経て、4月18日にプレオープン、5月16日にグランドオープンしました。これまでの皆さまの温かいご支援とお力添えに、心より感謝申し上げます。
 採用後チューター達は、新しくスタートするMWCの運営の仕組みを作るための事務的な仕事と同時並行で、日々、ライティング指導のスキル向上に励んでおり、着実に力をつけているものと考えています。
 プレオープン後にMWCを訪れた学生の主な相談内容は、「課題文を踏まえたテーマの設定ができない」、「講義を受けてレポートと作文の違いは分かったが、実際に書こうとするとどう書いてよいか分からない」、「ある程度書いてみたが、レポートの形になっているか分からない」などでした。学生の大半は、文章に対して「何となく」疑問を持っているけれども、「疑問を具体的に説明することは難しい」という傾向があり、「漠然とした疑問」を持ってセンターを訪れていました。
ご承知のようにMWCでは添削は行ないません。MWCで行なうライティング支援は、「書き手の自立を目指す」、「書く過程で指導する」ということです 。したがって、チューターは、次のようなチュータリングを行なっています。まず、「丁寧に質問を重ねることによって、書き手が困っている部分や文章の問題点を見つけ出す」、次に、「書き手自身がその問題点に気づいてもらうように導く」、そのうえで、「どのように修正するとよりよい文章になるのかをアドバイスする」というものです。これを実践するには、高いライティング指導の技術が不可欠であり、相当な訓練が必要であることは想像に難くありません。
 このように、センターを運営していく上で最も重要なのは、実際にチュータリングを行なうチューターの存在です。チューターが集団としてライティングを支援する力を高めることなしには、センターの機能的な働きは期待できません。実際に、国内大学におけるライティングセンターのパイオニアで、非常に高いレベルのチュータリングを実現している早稲田大学を視察した際、同センター代表の佐渡島沙織教授は、「ライティングセンターの成否は、チューターにかかっている」と話していました。ライティングの支援には、高い指導技術を持つチューターの存在が欠かせないのです。このため、国内でライティングセンター/ラボ/コモンズを設置する多くの大学では、大学院生(主に博士後期課程)や助手、助教、博士(教育学、文学)などの学位を持つ専任教員がチューターとなっています。
他方、MWCのチューターは全員学部生です。17人のチューター達は、①ライティングの基本を学び直す、②チューター役と学生役の2人1組で、チュータリングのロールプレイを繰り返す、③ロールプレイを振り返る、という基本のトレーニングを行っています。学部生達は、採用から開室までの短い期間に、講義やアルバイト、就職活動、部活動、サークル活動の合間を縫って、新しい組織を作りながら、ライティングを支援する技術を身につけようとしています。「書く力」が一朝一夕に身に付くものではないことは周知の通りです。すると、「書く力を支援するスキル」の向上は、なお努力と時間が必要と言えるでしょう。チューター達は、十分とは言えない準備期間にも関わらず、MWCのチューターとして責任を持ってチュータリングを行なえるように自己研鑽に奮闘しています。
 しかし、私自身も講義の合間を縫っての指導にならざるを得ません。また、チューターの育成が自己研鑽や努力のみでは限界があることは明らかで、ライティング支援における、より専門性の高い指導が必要となります。そこで、MWCは、グランドオープンを目前に控えた5月14~15日の2日間にわたり、関西大学ライティングラボの全面的な支援のもとに、チューター育成のための研修会を開きました。同ラボは、早稲田大学と同様に先駆的な取り組みを行なう大学の一つとして知られています。
 講師としてお招きした関西大学教育推進部の小林至道特別任命助教は、全国的に活躍されるライティング指導の専門家で、ライティングセンター/ラボ/コモンズを設置したいと考える各地の大学に招かれて、その高い技術を伝授されています。研修会についての詳細は別号に譲りますが、小林先生より、2日間の指導を通して、「学部生によるチュータリングの可能性と意義を再認識しました」という感想を頂戴し、無事に船を漕ぎ出すことができたと胸を撫で下ろしています。
 MWCは、まだスタートしたばかりですが、2つの先輩のセンター(LLC、MSLC)のお力もお借りして、次頁で紹介するチューター全員が、学生の皆さんのライティングを支援できるように努力を重ねています。まだまだ発展途上のMWCでございますが、今後とも引き続き、ご指導・ご支援くださいますとともに、成長を温かく見守っていただけますと幸甚でございます。

※「書き手の自立を目指す」、「過程で指導する」というライティングの指導理念は、アメリカで誕生しました。MWCでは、国内外の先進事例視察を経た結果、各大学が採用している同指導理念を用い、「自立した書き手を育てる」ことを目標としています。

チューター全員集合 チュータリング研修を後方で
観察するチューター

チューター・メッセージ

コアチューター
小室 真儀
(人間健康学部 スポーツ健康学科 3年次)
メッセージ
 ライティングセンターで働く誇りと責任を持ち、
 人とのご縁を大切に頑張ります。
小谷 千織
(国際学群 国際文化専攻 3年次)
メッセージ
 MWCを発展させ自分自身も成長できるよう、
 精一杯頑張ります。
コアチューター
中園 亜依
(国際学群 観光産業専攻 4年次)
メッセージ
 仲間たちと切磋琢磨してより良いセンターを
 作っていきます!
佐藤 優紀
(人間健康学部 看護学科 4年次)
メッセージ
 書いた人の思いが最大限活きる文章になる
 よう一緒に頑張りましょう!
コアチューター
濱崎 あずさ
(国際学群 観光産業専攻 4年次)
メッセージ
 笑顔溢れるライティングセンターを目指しま
 す!気軽に来てくださいね!
座波 大一
(国際学群 語学教育専攻 3年次)
メッセージ
 先生たちが驚くような面白いレポートを、
 一緒につくっていきましょう!
コアチューター
松川 官可
(人間健康学部 看護学科 2年次)
メッセージ
 MWCチューターとして責任をもって働いて
 いきます。
重藤 賢二郎
(国際学群 国際文化専攻 4年次)
メッセージ
 ただいま猛勉強中です!どんな些細なこと
 でも聞きに来てくださいね。
衛藤 のぞみ
(国際学群 国際学類 2年次)
メッセージ
 みなさんの役に立つ楽しいチュータリングを
 目指します!
下地 美南海
(国際学群 国際学類 2年次)
メッセージ
 レポートに苦しんでいるみなさん!安心してく
 ださい、一緒に考えますよ。
金城 彩紀
(国際学群 国際文化専攻 3年次)
メッセージ
 ライティングセンターに来てくれた方に満足
 して頂けるように頑張ります!
帯刀 優太
(国際学群 語学教育専攻 3年次)
メッセージ
 優しく丁寧に指導します。一緒に学んで
 いきましょう。
梶川 貴弘
(国際学群 語学教育専攻 3年次)
メッセージ
 これから一緒にレポートについて勉強して
 いきましょう!よろしくお願いします。
原田 智子
(人間健康学部 看護学科 2年次)
メッセージ
 一緒に考えながらレポートを良くしていきたい
 と思います!
加藤 環
(国際学群 国際学類 2年次)
メッセージ
 私と一緒に少しずつ成長しましょう!気軽に
 相談に来てくださいね。
森田 眞麻
(人間健康学部 スポーツ健康学科 2年次)
メッセージ
 内容はしっかり、だけど楽しい時間を!レ
 ポートの悩みもスッキリ解決、笑顔で帰ろう!
吉沢 隼
(国際学群 語学教育専攻 3年次)
メッセージ
 はじめまして。利用する学生さんと一緒に
 僕も成長できるように努めます。

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