平成27年9月16日、フィリピンのデ.ラサール大学院からの交換留学生リカルド.ティーハンキーは福岡経由で那覇空港に降り立った。彼の専門は国際政策研究。大学の世界展開力強化事業を通じての留学生だった。名桜大学に到着後数日は、住民票の登録や寮生活の必需品の購入、新入生歓迎会などの行事に忙しかった。10月4日、講演のため大阪大学から名桜大学を訪れた松野明久教授や名桜大学の教授たちと共に、首里城を訪れ、いにしえの琉球に想いを寄せた。写真は、首里城で昔の王族の衣装を着て撮った一枚である。首里の城下町の石畳を散歩しながら、琉球史に耳を傾けていた。翌日は、緑の山々に囲まれた美しい海を見ながら、 沖縄本島の北の果ての辺戸岬までドライブし、 本土鹿児島を仰ぎ見た。また、行く道すがら、「やんばるくいな」などの自然の野鳥を珍しそうに見ていた。名桜大学では、彼の修士論文に関連する「環境と平和」「日本文化と平和」を履修し、表からだけでは見えない日本の内情を同じ大学院生や教授たちを通じて学んだ。
首里城にて |
沖縄本島の北の果ての辺戸岬 |
道すがら見かけた |
小学校での |
平成28年1月中旬、名護教育委員会との共同プログラムで、名護市の小学校や中学校に、リカルドは自国フィリピンのことをパワーポイントを使って、時折日本語を交えながら20分程度の英語で説明し、台湾からの留学生も同様に自国のことを説明し、質疑応答した。また、後日、別の小学校や中学校にも赴いて、リカルドはフィリピンのことを、台湾やペルーからの留学生は各々の国のことを説明し、給食を共にした。この展開力の機会を通じて始まった名桜大学の留学生と名護の小・中学生との交流は今後も続けていく予定である。なお、リカルドは、日本に来て、初めて日本語の勉強を始め、僅か2ヶ月半の勉強で「日本語検定N5」に合格した。
留学生と共に訪れた |
平成28年1月下旬、名桜大学国際交流センターが主催する今帰仁城跡と名護の桜見物ツアーに参加した。写真は、他の留学生との楽しいひととき。また、2月12日夕方は、沖縄に留学している全世界からの留学生が那覇のホテル日航那覇グランドキャッスルに一斉に集まる、沖縄県主催の交流パーティーに参加した。
2月6日は、「大学の世界展開力強化事業:アジアの平和と人間の安全保障について」の幹事校、大阪大学国際政策研究所にて、セメスタープログラムで来日している学生10人が半年間の研究成果を発表した。吉田修教授(広島大学大学院社会科学研究科)の開会の辞で始まり、大阪大学、広島大学、名桜大学各々からの審査員が、一人一人の発表についてコメントした。新垣裕治教授(名桜大学国際文化研究科)の閉会の辞に加え、松野明久教授(大阪大学大学院国際政策研究科)が総合司会を務め、プログラムを締めくくって幕を閉じた。
名桜大学の留学生、リカルドのプレゼンテーション"Wartime Propaganda Imagery of the WWII pacific Theater" は、第二次世界大戦中に、日本兵が空から飛行機で東南アジアの人々に「日本軍の味方になるように」とばらまいたユニークな絵(漫画)を解説したものでわかりやすく、審査員達が、これからのリサーチの方向性やどのように発展させたらいいかを示唆してくれた。リカルドが解説した3枚の絵は、各々、フィリピン、インドネシア、タイに落とされたものだったが、各々の国の特徴をとらえた「ばらまき画」で、第二次世界大戦中の様子が如実に表現されていた。
吉田修教授より |
セメスタープログラム修了式 |
世界展開力プログラム修了証を手にする |
(大学院 国際文化研究科 上地直美)