沖縄の公立大学 名桜大学(沖縄県名護市)

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在宅ケア論 在宅人工呼吸療法 講義・演習の報告

掲載日:2014年7月25日お知らせ , 看護学科

 高齢在宅看護領域では在宅ケア論の授業の中で、南西医療機器株式会社の方を特別講師としてお迎えし、在宅人工呼吸療法についての講義と実際の演習を行っています。今年は平成26年7月7日(月)に実施致しました。

<講義>

 講義は、人工呼吸療法の歴史から始まり、NPPV(Non-invasive Positive Pressure Ventilation:非侵襲的陽圧呼吸)とTPPV(Tracheostomy Positive Pressure Ventilation:気管切開による陽圧呼吸)の違い、患者・家族への教育、在宅人工呼吸療法におけるトラブルや合併症などについて説明していただきました。「NPPVとTPPVの違いがわかった」と学生の感想にあり、今までの実習等であまり見る機会のなかった治療への理解ができていました。

<演習>

 NPPVの一つである鼻マスク式人工呼吸器とTPPVの呼吸器を用い、その使用上の注意や管理方法の説明、実際に作動させた状態での鼻マスクの装着体験の演習を行いました。鼻マスクを装着した学生からは「違和感が強い」「自分の呼吸のペースを乱されるのがとても煩わしい」という意見が多く、不快感を伴う治療に衝撃を受けた様子でした。その体験から「苦しいから付けたくないという患者さんの思いをどう治療へとつなげられるのか難しい部分だと感じた」と、治療による患者さんの心理面への影響を考えるきっかけとなり、患者さんの気持ちに寄り添い、適切な治療を行うために必要なことを学んでいました。
 合併症やトラブルへのケアとして、「マスクの着用による発赤や潰瘍はその人の合ったサイズや調節により防ぐことができるので、Nsの配慮が大切だと改めて学んだ」のように褥瘡予防の必要性や、「命に関わることなので、つけ間違えや空気漏れがないようなチェックを行うことが重要と学んだ」と、人工呼吸療法は少しの間違いが命に直結するリスクのある治療であることや確認の重要性を理解していました。また、「在宅で人工呼吸器を使用するためには管理や災害時の対応等、身近にいる家族だけでは難し いと感じた。地域での連携も必要だと感じた」と振り返っており、在宅での人工呼吸療法は医療者や業者および家族だけで療養者を支えていくことは難しく、地域に住む方々の協力なくしては療養できないと学ぶことができていました。後期の在宅ケア実習へ活かされることを期待したいと思います。
 前回の在宅酸素療法の授業と同様に、学生が在宅で人工呼吸療法を行う療養者を具体的にイメージできる良い機会となっていました。ご協力いただきました南西医療機器株式会社の皆様に厚くお礼申し上げます。

<高齢在宅看護領域> 稲垣絹代 永田美和子  佐和田重信 
八木澤良子 吉岡萌

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