〔連載〕 さぁ!世界へ飛び出そう!
私の留学体験記From 啓明大学
本学では、世界14カ国・20大学と交流協定を結び、教育・研究の交流を行っている。本国際交流プログラムを活用し、平成24年2月28日から韓国の啓明大学に留学している、金城なたりさん(国際学群2年次、名護高校出身)と喜屋武優華さん(国際学群2年次、那覇国際高校)から二週に一度報告が寄せられる。大学での学びに加え、現地での学生生活等、充実した日々の様子を紹介する。(レスポンス:宮平栄治教授)
平成24年6月27日(水)
喜屋武:
6月15日に帰国する留学生のためにFarewell partyが行われました。そして23日まで、思い出作りのために仲の良いメンバーで、いろいろなところに行き、語りました。
前期終了後は、夏休みの間住む寮に移動しました。私の新しいルームメートは韓国人の学生で、韓国語のみでコミュニケーションをとっています。これからももっと仲良くしていきたいと思います。
金城:
こちらでは6月23日から夏休みが始まりました!私は今、大学内にある語学堂に通っています。語学堂には1級~6級までクラスがあるのですが、1級はハングル文字・文法から始まり、6級では政治経済・文法について韓国語で勉強します。私は夏休み前に勉強していたため2級から始めることができました。2級のクラスには、私を含め2人の日本人と、中国、アメリカ、マレーシア、フィリピン、ウズベキスタン等の留学生13人がいます。クラスメートたちは間違った文法で話すこともありますが、積極的に発言し、私にもたくさん話しかけてくれます。私もよりスムーズな会話ができるように、そして8月に開講される日本人向けの語学堂サマーキャンプに向けてレベルアップし、秋学期からは3級に上がれるように頑張ります。
せっかく留学中なので、夏休み中に時間を見つけて外国人の友達とたくさん遊びたいと思います!
宮平先生:
韓国の年度の始まりは8月なのですね。韓国で面白いのは、学寮の運用もアメリカ式ですね。
夏期休暇中ですが、ハングルの勉強もがんばっているようで何よりです。最初は、文法等気にせず、他の外国人の様にドンドンしゃべってください。次は、話すだけでなく内容が求められますので、政治、経済、文化等も説明できるよう学びましょう。
そうそう、長期休暇でしかできない旅行も楽しんでください。
平成24年6月6日(水)
喜屋武:
5月28日は釈迦誕生日「初八日(チョパイル)」(旧暦4月8日)ということで休日でした。全国の寺で記念行事が開かれ、街中に蓮華をモチーフにした燃灯が灯ります。ソウルでは韓国仏教の最大の祭典ともいわれる「燃灯祝祭(ヨンドゥンチュッチェ)」が開催されます。日本とは違った休日や、沖縄と同じく旧暦の行事があり興味深いなと思いました。
金城:
6月6日は、韓国の祝日「顕忠日(ヒョンチュンイル)」という日で、独立運動の功労者や戦没者の霊の冥福を祈り追慕する日だそうです。
沖縄の慰霊の日とは違って、「顕忠日」は6・25戦争で戦死した民間人・韓国軍だけでなく、現在も続いている戦争で尊い命を失った全ての韓国軍に捧げる日なのだそうです。この事実を知り、自分が日本で生活してきた中で、どれだけ平和な生活・考え方をしているかを考えさせられました。
宮平先生:
一応、4月8日は、日本では太陽暦でも、仏陀の誕生日を祝います。仏陀の像に甘茶をかけて祝う甘茶祭りです。
朝鮮戦争、韓国では「韓国戦争」ですが、まだ戦争状態を終わらせる講和には至っていない休戦状態なのです。ですから、まだまだ戦争状態が続いたままだというのが、現在の韓国の状況です。
私が学生の頃までは、韓国には戒厳令というのがあり、夜間は外出が禁止されていました。北朝鮮との緊張関係が徐々に和らいでいるため、戒厳令は解除されましたが、男子の徴兵制はしっかり残っています。
沖縄では6月23日の慰霊の日ですが、追悼者が沖縄戦等で亡くなった全ての戦没者ですから、顕忠とは意味合いが違います。どのような視点で追悼するかは、それぞれの考えを反映しているというのが良く分かりますね。
平成24年5月10日(木)
喜屋武:
韓国人学生と一緒に韓国の歴史や文化等について学ぶ"外国人同行体験"に参加しました。テグ市内にある薬令市へ行き、薬草や薬湯、漢方等を飲んだり食べたりしました。話は変わりますが、私は今日本語の文法について苦戦しています。日本にいる時は動詞の活用や接続する時の変形等、とくに意識せず活用していました。なので、他国の友人に動詞の変化等を教えた時に"なぜこうなるの?"と、聞き返されて返事に困ってしまいました。
金城:
韓国には連休こそありませんが、国民の休日として子供の日(5月5日)があります。また、両親の日(5月8日)や先生の日(5月15日)といった記念日があり、派手で大きなプレゼントを準備して、感謝の気持ちに添えて贈ります。先生の日は日本に無いので、学生たちがプレゼントを準備している姿をみて驚きました。
宮平先生:
韓国でも太陽暦で5月5日を端午の節句を祝っている様ですが、いつ頃から太陽暦で祝うようになったのでしょうかね?韓国の人は、現在では太陰暦を使っていないのでしょうか?時間があったら調べてみてください。
喜屋武さん、私も日本語の文法は苦手です。母国語は、文法を意識しなくて使っていますからね。しかし、外国人へ教えるためには、正しい日本語の文法を教える必要がありますね。
平成24年4月26日(木)
金城:
先日、能のワークショップがありました。講師はシテ方宝生流能楽師の辰巳満次郎先生という方で、実際に「船弁慶」を演じてくれました。私たちも能の動作体験「構え」をしましたが、ただ立っているだけでとても辛いと感じました。日本の演劇や伝統文化の講義を通して、日本人が思う日本文化と、外国人から見た日本文化の違いに驚きつつも、「外国から見た日本」を見ることができ面白いと感じました。
喜屋武:
私は、日本人の学生と「日本の文化」受講していますが、その中で日本本土とは違った、沖縄の文化について教えてほしいと要望がありました。私となたりさん、同じ交換留学生の田山地里奈さんで、沖縄について(沖縄の人の信仰・エイサー・沖縄の料理 等)プレゼンテーション行った後、三線を弾きました。不十分な点も多くあったと思いますが、沖縄について韓国の人にも伝えることができました。
宮平先生:
韓国で日本文化、能や歌舞伎を学ぶというのもなんだか奇妙な話ですが、沖縄の人があまり海洋レジャーを楽しんでいないのと同じなのかもしれません。さて、外国に行くと気付くのが、故郷の文化や歴史が自己のアイデンティティの一部だと言うことですね。留学すると必ずと言っていいほど、自分が住み、成長した地域の文化や歴史について尋ねられます。もし、自分の古里について答えられないと、怪訝な顔をされてしまいます。そういった意味では、今回、上手く役割分担を行い、沖縄について3つの視点と音楽の面から報告できたのは良かったですね。また、次に留学を考えている名桜大学の学生さんにも、留学前には、日本や沖縄のことについても学び、報告できるような知識を有するべきだという教訓にもなっています。
平成24年4月12日(木)
金城:
3月30日・31日にfield tripで、ヒュンダイモータースや製鉄工場のPOSCO、世界遺産の沸國寺、石窟庵に行ってきました。また外国人同行体験(韓国人学生と韓国の文化や伝統を体験するプログラム)では、テグ市にある薬令市場韓方薬博物館に行ってきました。韓方薬の歴史や作り方、韓服を着ることができる施設がありました。また博物館の隣には、テグ市で初めて建ったという教会がありました。ここがテグ市の信仰の拠点になったようです。
今日食べた칼국수(カルグッス)
テグ市にある教会
喜屋武:
留学生対象のfield tripを行った日、夕ご飯の後に、コーディネーターの先生の部屋に集まり、ゲームを通して留学生と交流を深めました。様々な国の友達ができとても楽しかったです^^。4月6日は、大学内にあるホールでミュージカル(キャッツ)を観ました。
宮平先生:
大学内にホールがありミュージカルが上演されるとは羨ましい限りですね。台詞は韓国語だったのでしょうか。また、多くの国の人と交流ができているようですが、国名とコーディネーターの先生の役割も教えていただけますか。
喜屋武:
ミュージカルでは役者さんの演技が素晴らしく、本物の猫を見ているような気分になりました。ちなみに台詞は韓国語です。留学生の出身は、U.S.・フィンランド・アゼルバイジャン・フィリピン・中国...その他多数です。コーディネーターの先生は、私たち留学生のサポート(授業の登録・イベントのお知らせ等)をしています。
平成24年3月28日(水)
金城:
最初は全く聞き取れなかった韓国語も、1カ月が経った今、簡単な文章や会話の流れが分かるようになってきました。普通に会話できるようにもっと頑張ります!
喜屋武:
親しくなったフランス人留学生に、フランス語を習っています。私もまた日本語を教えています。英語で韓国語・フランス語を学び、韓国語・英語で日本語を教えるという国際的な交流ができとても充実しています。表現力や語彙力が至らずに自分の思ったことを表現できず悔しい思いをしていますが、その反面勉強したいという思いが高まっています!
平成24年3月7日(水)
金城:
ようやく韓国での暮らしに慣れ、授業も始まり毎日が充実しています。啓明大学では、留学生向けの授業は英語で行われます。"留学生は英語ができて当たり前"のようです。私たちをサポートしてくれるバディの皆さんも、日本語はもちろん英語も話すことができ、語学力の高さに驚いています。
喜屋武:
今日で授業登録などが終わりました。韓国へ来て痛感したことは、海外では英語が重視されており、話せる必要があるということです。KAC(Keimyung Adams Collage)というクラスでは、ディベートやプレゼン等を英語で行っていて、レベルの高さに唖然としました。