沖縄の公立大学 名桜大学(沖縄県名護市)

看護学研究科 看護学専攻(博士前期課程)学部・専攻科・大学院

看護学研究科は、健康問題を創造的に解決できる専門性の高い看護実践能力と教育研究能力を有する人材を育成します。

本学は、沖縄県北部12市町村の「公設民営」の大学として設立され、平成22年4月、北部広域市町村圏事務組合を設立団体とし、公立大学法人に移行した経緯から、教育・研究の両分野において沖縄県北部地域との連携が重視されています。
北部12市町村は、過疎化、山間へき地、離島を含む広大な地域であり、医療機関や療養施設・医療人材の慢性的な不足、医師不在による産科病棟の休診、妊産婦の低い受診率、山間へき地の孤立した育児環境、生活習慣病の増大、心を病む人の増加、救急医療や在宅療養資源(サービス)の不足など人々の健康を守るには多くの課題を抱えています。一方、長い歴史の中で、「ちむぐくる」や「ゆいまーる」という沖縄特有の相互扶助の精神が息づいており、恵まれた自然の中で医食同源の生活を送ってきた長寿の人々が多く暮らす地域でもあります。しかしながら、健康長寿社会を支えてきたこれらの地域の歴史や文化が失われつつあり、住み慣れた地域でその人らしい生活を再構築できるように支援するかかわりは重要になります。上記の課題を解決・支援できる高度な専門的技能を持つ看護実践者、教育者・研究者を養成することを目指し、看護学研究科を設置いたしました。
本研究科は、名桜大学の建学の精神である「平和・自由・進歩」を踏まえ、生命の尊厳と人権を尊重し、擁護する倫理観と豊かな幅広い人間性を培うとともに、その人がその人らしく生きられるように、沖縄のケアリング文化に根ざしたケアを提供できる看護職者を育成します。
また、保健・医療・福祉を統合的に捉え、社会のニーズに対応し、地域社会および国際社会に貢献しうる実践能力のある健康支援人材を育成することを目標に、沖縄の歴史やケアリング文化を基盤として、地域の健康問題を創造的に解決していく看護実践能力の育成とグローバルな視野で看護の新たな価値の創出を目指した教育・研究能力を育成することを教育理念とします。

健康長寿社会を支える文化、精神を看護学科として体系化

  • 沖縄特有の「ゆいまーる」という
    相互扶助の精神
  • 恵まれた自然の中で
    医食同源の生活
  • 「ちむぐくる」
    の精神
沖縄県北部12市町村「医療・保健の課題」
  • 医療機関や療養施設、医療人材の慢性的な不足
  • 医師不在の産科病棟の休診
  • 山間へき地の都立した育児環境
  • 救急医療や在宅療養資源の不足
  • 高齢者の介護問題
  • 生活習慣病の増大
  • 妊産婦の低い受診率
  • 心を病む人の増加
高度な専門技能を持つ看護実践者、研究者・教育者の育成
養成する人材像

本研究科は、地域に根差し地域の健康問題を創造的に解決していく卓越した看護実践能力の養成と看護現象の解明を目的とした研究能力の開発、看護の新たな価値の創出を目指し、高度専門職業人及び教育・研究者の養成を目的としています。

  1. 高度専門職業人の養成
    地域の看護需要に対応して問題を解決するための指導的役割を果たす看護実践のリーダーを養成します。
  2. 教育・研究者の養成
    ケアリング文化に根ざした看護教育を探求する教育者及び研究者を養成します。
教育目的

名桜大学大学院看護学研究科(博士前期課程)では、博士前期課程の理念を踏まえ、地域の健康問題を創造的に解決していく専門性の高い看護実践能力と看護の教育、研究能力を有する人材を育成し、保健・医療・福祉の質的充実・向上を目指すことを目的とします。

教育目標
  1. 科学的思考と倫理的・文化的感受性に基づいた判断力・問題解決能力を備えた看護職者の育成
  2. 保健・医療・福祉分野における他職種及び市民と協働できる調整能力を備えた看護職者の育成
  3. 地域の特性を踏まえ、住民の保健医療ニーズに応えうる看護職者の育成
  4. 生涯学び続ける看護職として、看護学の専門性を探究する看護職者の育成
  5. グローバルな視野で看護の役割を創造する能力を備えた看護職者の育成
修了後の進路本研究科修了後の主な就職先
医療・福祉
  • 公益社団法人 北部地区医師会病院
  • 社会医療法人 仁愛会 浦添総合病院
  • 独立行政法人 国立病院機構 琉球病院 など
教育・研究者
  • 公立大学法人 名桜大学人間健康学部看護学科
  • 北部地区医師会 北部看護学校 など
入学者選抜の概要

入学定員:6名

アドミッション・ポリシー

看護学研究科の教育目標を達成するために、本研究科に入学を希望する人には以下のことを求めます。

  1. 看護学の発展に向けて、自ら進んで取り組む意欲と探求する姿勢を持っていること。
  2. 多様化・複雑化・高度化する看護ニーズに応えるため、高度な知識、看護実践能力および研究能力の習得を目指していること。
  3. 看護実践・教育・研究を通して地域社会や国際社会に貢献する意思を持っていること。
  4. 本研究科教育課程で学ぶために必要な基本的知識・技能を有していること。
社会人も学べる教育環境

現職の看護師や保健師等の社会人が仕事を続けながら学修できる教育環境を整備しています。

昼夜開講制を導入

社会人学生の事情を考慮して、昼間に加えて、平日の夜間や土曜日、休日、夏季休暇中の授業及び研究指導を受けることができる教育環境を整備しています。

長期履修制度を導入

長期履修制度を活用すると、2年間の学費で3年間在籍し、計画的に履修することができます(社会人のみを対象)。

施設の夜間利用

看護棟図書室は、大学院生の修学時間に合わせて、平日は22時まで、土曜日は12時から18時まで開館しています。また、大学院生専用の研究室・共同演習室を整備しています。

ディプロマ・ポリシー卒業認定・学位授与方針

看護学研究科は、以下の能力を身につけた大学院生に修士(看護学)の学位を授与します。

  1. 科学的思考と倫理的・文化的感受性に基づいた研究能力
  2. 地域社会や看護の課題に取り組み、看護学の専門性を探求する生涯学習力
  3. 地域の特性を踏まえ保健医療ニーズを分析し、多職種と協働し看護を実践する能力
  4. グローバルな視野で、看護の役割を創造する能力

学位論文審査基準

名桜大学大学院看護学研究科は、学位論文について、本研究科のDP(ディプロマ・ポリシー)に基づき、以下の基準を用いて総合的に判断する。

  1. 修了基準
    修了要件の30単位以上修得し、かつ特別研究の審査に合格しなければならない。
  2. 審査体制
    審査に当たる主査1名、副査2名を定める。学位申請者は論文評価基準項目について、主査と副査による口述試験および論文審査による最終試験を受ける(公開試験)。
  3. 学位論文評価基準
    (1)テーマ設定
    1)看護・保健・医療・福祉・教育分野への貢献
     臨床あるいは地域におけるケアや教育の課題の解決や理解の深化に直接関連するテーマを設定している。
    2)発展可能性
     より重要な研究へと発展することが確実なテーマである。
    3)オリジナリティ
     関連する先行研究を網羅した上で、当該論文のテーマが独創的であることが明確に示されている。
    (2)研究活動の妥当性
    1)計画・準備
     指導教員との協議を通して計画書を作成し、研究レビュー、データ収集、分析、執筆など具体的な活動をいつ実施するか明確である。
    2)研究倫理
     研究に関わる倫理上の問題について、十分に考慮し、研究活動を行っている。
    3)データ・資料の管理保存
     論文に使われたデータや独自資料は指導教員等の管理する公的な場所に適切に保存され、論文提出後の照会や検証に耐えられるようになっている。
    (3)研究の内容とその記述
    1)目的の明示
     研究の目的が明確に述べられており、その目的のために当該研究で何をどう進めていくのかというプランも明確にされている。
    2)研究方法の妥当性
     研究目的を達成するために最もふさわしいと考えられる研究方法を選択している。
    3)論文の論理的構成
     論旨は明確で、一貫性がある。
     論文は学術的な記述法で書かれ、本研究科で提示されている執筆規定に従って書かれている。
    4)データ・資料の質と量
     研究目的を達成するために選択した研究方法、分析方法を実施するのに十分適合するデータ・資料を収集している。
    5)分析方法
     研究目的を達成するために選択した研究方法にふさわしい分析方法が行われており、当該分野における一定の水準を超えている。
    6)結果の表現
     結果を適切に表現するために、適切な図表等が作成・配置されている。
    7)考察とまとめ
     参考資料や得られたデータに基づいて客観的で公平な考察をおこなっている。予想や仮説に一致しない結果も重要な結果として捉えている。
    8)要約
     目的・方法・結果・考察・結論が簡潔明瞭に記載されており、提示した字数を満たしている。
    (4)口頭発表
    1)中間発表
     全体的な構成、表現力は分かり易く、質疑・応答も適切である。
    2)最終試験(口述)
     全体的な構成、表現力は分かり易く、質疑・応答も適切である。
    3)最終発表
     全体的な構成、表現力は分かり易く、質疑・応答も適切である。
    (5)成果
    1)成果の水準
     当該分野において、これまで解決できなかったことを解決する知見、あるいは新しい事象の発見を参考資料や得られたデータに基づいて提供している。
    2)限界点の示唆
     当該分野において、適切で根拠のある限界点と示唆についての議論を詳細に行っている。
    3)成果の公表
     雑誌等へ研究論文の投稿をした。
    4)実践への貢献
     研究によって明らかとなった知見や成果物を臨床あるいは地域・教育現場等の実践者へ提供し、役立てることが決まっている。

カリキュラム・ポリシー教育課程編成・実施方針

ディプロマ・ポリシー(卒業認定・学位授与方針)であげた能力を育成するため、以下の方針に沿ってカリキュラムを編成します。

  1. 看護専門職として実践・研究を遂行するにあたり、基盤となる批判的・論理的思考力を育成するために、共通必修科目と共通選択科目を配置する。
  2. 看護実践および研究の質の向上に資する専門科目を配置し、志向する専門分野(基盤看護学分野、臨床看護学分野)における看護学の専門性を探求する能力を育成する。
  3. 研究方法、研究デザイン、研究計画等、研究に必要な基礎を修得する演習科目(専門演習)および修士論文を作成する研究科目(特別研究)を配置する。
  4. 修士論文の中間評価を行うとともに、修士論文審査に合格することを修了の条件とする。
基盤看護学分野
看護教育学領域

看護職者個々人のキャリア発達過程に応じた支援方法の開発

 看護教育学領域では、生涯にわたり学び続ける、成長し続ける看護職者への支援について教育・研究を行っています。看護教育学をとりまく社会や世界の動向を踏まえながら、看護基礎教育、ならびに継続教育の現状と課題を理解し、看護職者1人ひとりのキャリア発達過程に応じた関わりができる専門職者として、教育現場・臨床現場で活躍できる人材育成を目指しています。ディスカッションやプレゼンテーションを通して、看護の質を高めるための看護職者への教育的働きかけ、教育環境づくりなど、効果的な継続教育を実施していくために必要な知識や理論・技術について探求します。研究テーマは、遠隔離島・へき地看護職の継続教育に関する研究、成人教育・成人学習に関する研究、看護師のキャリア形成・発達に関する研究などがあります。看護教育に興味のある方、自己教育力を高めたい方、看護職者の学習支援、キャリア開発について一緒に学びませんか。

【担当教員:清水かおり】

国際看護学領域

多分化共生社会における看護職の役割と可能性を追求

 国や地域を越えた自然環境の変化や災害、貧困、あるいは健康に関する新しい共通課題が次々に発生する社会の中で、看護職の役割は拡大しています。また日本で生活する外国人は、2019年に280万人を超えました。現在は2020年からのパンデミックの影響により減少していますが、異なる文化背景をもつ人々の多様なニーズを尊重した看護ケアを行うことが出来る人材が求められていることは変わりありません。
 国際看護学領域では、そのような状況をふまえ、国内・国外にかかわらず医療・保健・看護の現状を理解し、人々の健康を回復・維持・増進するための看護の課題について検討します。さらに開発途上国の社会背景や文化を踏まえた国際協力活動のありかたについて探求します。そして、多文化共生社会における看護職の役割と可能性について考察し、実践・研究することができる人材の育成を目指します。主な研究テーマは、在日外国人に対する健康サポート、文化と看護、海外研修が看護学生に与える影響についてです。「言語はもちろん大事だけれど、それを超える思いを知った」「私たちにとっての世界の共通言語は『看護』ですね。」そんな感想を話した学生たちの経験の意義、成長についても一緒に考えてみませんか。

【担当教員:横川裕美子】

臨床看護学分野
がん看護学領域

がん看護のケア向上に向けたエビデンスの開発

 現在、がんは日本人の2人に1人が罹り、3人に1人が死亡する身近な病となっています。その一方で、免疫チェックポイント阻害薬やゲノム医療等、日々進歩する高度医療と早期発見・早期治療により5年生存率は60%を超えており、今や「死に至る病」から「がんと共存する」時代となりました。それに伴い、がん看護においては包括的な視点と卓越した知識と技術が求められています。
 がん看護学領域では、がんの診断時期から終末期までがんとともに生きる人々とその家族の体験を広い視野から理解し、全人的ケアを実践するための土台となる理論や概念を考究していきます。さらに、がん看護専門看護師の講義や討論を通して、治療や症状をはじめ緩和ケアや倫理的問題等について解決技法を学びます。また、臨床で抱える疑問や課題を最新の研究から探求し、エビデンスの開発に取り組みます。
 研究テーマは、がんAYA世代に関する研究や就労支援に関する研究、がん患者・家族の意思決定支援に関する研究等です。
 研究を通して、がん看護の質向上および社会に貢献できる人材の育成を目指します。がん看護を楽しみながら一緒に探究しましょう!

 【担当教員:玉井なおみ、木村安貴】

高齢者看護学領域

文化を踏まえた高齢者看護の発展

 少子高齢社会において老年期を生きる人々の豊かで幸せな老いについて評価し実践できることは重要です。高齢者を生活者としてとらえ、高齢者のセルフケア能力やQOLを維持・向上するうえでの研究を文化的視点から取り組んでいます。
 これまでの研究テーマとして、住み慣れた地域でその人らしく生活できるように公助、共助、互助、自助の視点とした地域包括ケアシステムの検討、有料老人ホームでの環境配慮要因の検討、高齢者ケアを担う看護職者の道徳的感受性の検討、また、地域で生活する高齢者の閉じこもりの予防、沖縄県の看取り文化、高齢者の意思決定支援、高齢者の会話と睡眠との関連などを多様な経歴をもつ院生及び教員と納得がいくまでディスカッションして、研究に結びつけています。今まさに臨床の現場で起こっている高齢者を取り巻く現象に、目を向け、耳を傾け、創造力を駆使して、様々な視点から高齢者の方々とそのご家族の幸せのために、私たちの幸せのために、エビデンスを構築し、質の向上に向けた研究を是非一緒に学びましょう!

【担当教員:永田美和子】

母性看護学領域

母子と女性の健康エキスパートの養成

 母性看護学領域では、日本の周産期医療システムの現状を理解し、マタニティ・ステージにある母 性の発 達ならびに母子とその家族のwell-beingの実現に向け、次代につなぐ看護援助方法を探求します。また、リプロダクティブ・ヘルス/ライツの視点から、女性のライフステージの各段階における健康問題を探求し、その課題解決に向けた研究的アプローチを修得します。講義はゼミ形式で展開し、院生とディスカッションを通して探究すべき課題・課題解決に向けて検討し、科学的思考力とエビデンスに基づいた看護実践を探求していきます。研究テーマは、生殖医療を受療する対象者の理解と看護実践、周産期および女性の生涯にかかわる健康支援に関する研究、助産ケアのエビデンスに関する研究、産科施設と地域との連携に関する研究、助産教育に関する研究、臨床おける助産ケアの倫理に関する研究などです。
 近年の母性を取り巻く環境は大きく変化し続けており、新しい生命観、倫理観の創造が求められています。その変化に合わせてケアを科学的に考え、研究と実践の架け橋になる人材の育成を目指します。

 【担当教員:阿部正子】

小児看護学領域

子どもと家族の健康生活を支える看護者の養成

 小児看護学領域では、健康な子どもや急性期、慢性期、終末期、障害、在宅療養など健康のあらゆる段階にある子どもたちの最善の利益を基盤に、子どもと家族の健康生活の支援について学びます。また、講義は院生とのディスカッションを中心に行い、子どもの成長発達過程における母子関係や家族、環境との相互作用が与える影響を理解するため、関連する理論を学びます。そして、さまざまな状況下にある子どもが、その子らしく成長発達するための子どもと家族へのケアの実践や研究方法について探求していきます。
 研究テーマとして、障害児とその家族に関する研究、医療的ケアを要する在宅療養児とその家族への支援に関する研究、被災した子どもたちへのケアに関する研究、小児看護学の教育方法に関する研究、プレパレーションに関する研究などがあります。皆さんが抱えている疑問を基に、小児看護に求められる課題解決方法や援助方法について、検討していきたいと思います。これまで、蓄積してきた研究をさらに発展させたい方、これから小児看護研究に取り組みたい方など、本研究科で新たな一歩をスタートさせてみませんか。

 【担当教員:松下聖子、流郷千幸

精神看護学領域

臨床の課題の探求から精神看護学の発展に向けて

 精神看護学領域では、院生の皆さんとのディスカッションを通して、根拠のある看護実践を確立していくための科学的思考能力を養いたいと考えます。主な研究テーマとしては、精神障害者及び家族のリカバリーに関する研究、精神障害者の地域包括支援に関する研究、看護師のメンタルヘルスに関する研究、看護師の倫理的ジレンマに関する研究、精神障害者への有効なケア技術の探求、精神看護学教育に関する研究などが例として挙げられます。これまでの臨床における経験や実践を整理したい、自分自身の成長のためにチャレンジしたい、研究する能力を高めたい等、それぞれの夢の実現に向けて、私たちと一緒に学びませんか。

 【担当教員:平上久美子、鬼頭和子、村上満子

公衆衛生看護学領域

地域の特性を活かした公衆衛生看護学の発展と創成に向けて

 公衆衛生看護学領域では、院生の興味・関心、経験と先行研究を教材にディスカッションを重ね、普段の保健師活動の「暗黙知」を紐解きながら、「見える化(形式知)」とし、新たな公衆衛生看護学の発見や課題解決に必要な社会的責任や発見力、洞察力、連携力、統合力、教育力等の習得を目指しております。これまでの研究テーマは、新任期保健師の若年母親への支援や育児期母親のレジリエンス研究、保健師の専門遂行能力とリフレクション、産業保健等です。新型コロナウイルス感染症の拡大により保健師活動が注目され、公衆衛生看護学について多面的に考える機会となりました。そのような中、本学のある北部地域は、地域伝統行事や「ゆいまーる(相互扶助)」を重んじるソーシャル・キャピタルのある先駆的モデルとなる貴重な地域といえます。このような地域の特徴を活かした公衆衛生看護学や地域創生に向けた活動に興味がある方は一緒に学びませんか。

 【担当教員:田場真由美】

在宅看護学領域

その人らしい暮らしを支える在宅看護学の発展を目指して

 在宅看護学領域では、在宅での生活(暮らし)を支援する看護の役割と福祉との連携を目指し、在宅看護の現状と課題について探究します。また、沖縄県北部地域のフィールドワークを通して、在宅看護を取り巻く実践上の課題や倫理的判断についてディスカッションを重ねながら実践的に学びます。主な研究テーマは、沖縄の文化とケアリングに関する研究、看取りの文化とエンドオブライフケアに関する研究、島嶼地域における生活支援に関する研究、路上生活者や生活困窮者への健康支援に関する研究、暮らしを支えるケア技術の開発に関する研究、地域の介護力を高めるコミュニティケアやコミュニティナースに関する研究などです。沖縄を拠点に、様々な視点で在宅看護の可能性について一緒に学びましょう!

【担当教員:大城凌子】

病態生理学領域

病態生理を基盤とする看護実践

 病態生理学領域では、正常な生体機能が如何に破綻し、異常が生じるかを明らかにするための病気のメカニズムについて研究します。先ず、どのような看護援助が身体機能をより正常な状態に戻すことが可能かを考え、対策を立て、如何にして実行に移せるかを国内外の文献等を渉猟しながら吟味します。次に、培養細胞等を用いたin vitroでの遺伝子解析、生化学解析やin vivoでの生理機能測定を活用した実験研究により病態の本質を探求します。大学院生自らが臨床で遭遇した興味ある病態を選んで疑問点を解決するために、研究計画を立案し、実験研究を行ない、解析し、考察できるように討論しながら指導していきます。主な研究テーマは、Ⅰ型アレルギー疾患の病態、がん発生における中心体の役割、抗血栓機能の解明、Ca2+チャネルの調節機序の解明、さらに沖縄県北部地域の健康寿命延伸のための課題を明らかにすることです。細胞レベルから公衆衛生まで幅広い分野について一緒に学びませんか

【担当教員:花城和彦】

授業科目
科目区分授業科目の名称配当
年次
単位数修了要件
必修選択
共通科目 共通必修科目 看護理論 1 2 - 必修科目3科目6単位を履修すること
看護学研究方法論 I 1 2 -
看護学研究方法論 II 1 2 -
共通選択科目 沖縄のケアリング文化 1 - 1 4科目8単位以上履修すること。うち4単位は、国際文化研究科の共通科目や教育研究領域科目から履修することができる。
看護教育学 1 - 2
看護倫理学 1 - 1
看護管理学 1 - 2
コンサルテーション論 1 - 2
ヘルスプロモーション論 1 - 2
包括的健康アセスメント 2 - 2
健康栄養学 1 - 2
病態生理学 1 - 2
英語講読 1 - 1
専門科目 基盤看護学分野 基盤看護学特論 I 1 - 2 基盤看護学分野または臨床看護学分野のいずれかを選択し、特論I及び特論IIの2科目4単位以上履修すること。
基盤看護学特論 II 1 - 2
臨床看護学分野 臨床看護学特論 I 1 - 2
臨床看護学特論 II 1 - 2
演習・研究科目 専門演習 1 4 - 専門演習4単位、特別研究8単位を履修すること
特別研究 2 8 -

修了要件の30単位のうち、共通選択科目の4単位は、国際文化研究科の共通科目や教育研究領域科目から履修することができる。

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