沖縄の公立大学 名桜大学(沖縄県名護市)

研究コラム(つながる、つなげる教員の輪)研究

「生活習慣を変える行動変容理論・モデルの活用」

神谷 義人/人間健康学部 スポーツ健康学科/掲載日:2017年12月

「生活習慣を変える行動変容理論・モデルの活用」

神谷 義人(人間健康学部スポーツ健康学科 助教)

 「わかっちゃいるけどやめられない、続かない」は誰しも経験があるのではないでしょうか。米国の研究によると、運動教室に参加する人の約50%が6カ月以内にドロップアウトすることが報告されており、いかに運動を継続することが難しいかがうかがえます。
 私が専門とする心理学や行動科学の分野には、人の行動メカニズムを解明し、行動変容を支援するためにさまざまな理論・モデルがあります。代表的なモデルである「行動変容のステージモデル」では、人の行動変容の段階を準備性および実践の程度から5つのステージに分類します(右図参照)。新たに運動を始める(止める)時、人はステージの間を行きつ戻りつしながら、らせん状に移動していくと考えます。 このようなモデルの活用は、対象者のステージを見極め、状況に応じた適切な働きかけを行うことができるために有用です。運動習慣が身につく前の前期ステージ(前熟考-熟考-準備ステージ)では、考え方(認知)を変えてもらう仕掛けが必要となります。また、運動習慣の定着を目指す後期ステージ(実行-維持ステージ)では、運動を行いやすい環境づくりや周りからの支援がより重要となります。併せて、自己効力感(セルフエフィカシー)を高めるような支援も欠かせません。
 行動変容の理論・モデルは、運動行動のみならず食行動や喫煙行動など、健康行動全般に適用可能です。
 肥満や生活習慣病が蔓延する沖縄県民の生活習慣の改善を目指し、行動変容の理論・モデルを活用した健康づくりプログラムの開発・実施に取り組んでいきたいと考えています。

2017年12月

神谷 義人(かみや よしと)(人間健康学部スポーツ健康学科 助教)
 沖縄県豊見城市出身。キャプテン翼に憧れ、幼少期よりサッカーを始める。運動・スポーツの楽しさ、魅力を伝えるべく、健康運動指導士として健康づくり、介護予防事業に携わる。最近は、体重増加により、たまに運動してもキレのなさを感じ、やや凹み気味。40代を目の前に、「キングカズ」のように動ける"オヤジ"を目指してトレーニングに励もう!と、さっき心に決めたところである。

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