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卯田卓矢准教授が第7回鉄道史学会住田奨励賞を受賞しました

掲載日:2016年10月26日お知らせ , 教育・研究活動レポート

山里学長(左)へ受賞報告した卯田准教授(右)
 平成28年10月25日(火)、国際学群観光産業教育研究学系の卯田卓矢准教授が山里勝己学長を表敬し、*第7回鉄道史学会住田奨励賞(論文の部)を受賞したことを報告しました。授賞式は平成28年9月24日(土)に開催された第34回鉄道史学会大会(青山学院大学青山キャンパス)において行われ、卯田准教授に青木真美会長より賞状と目録が手渡されました。
 報告を受けた山里学長は「受賞おめでとうございます。今回受賞された分野を県内で専攻している研究者は少ないのでは思います。沖縄も研究対象の宝庫だと思いますので、今後は沖縄をテーマに扱った研究成果も期待しています」と功績を讃えました。
受賞にあたっての一言
 この度は名誉ある賞を賜り、大変嬉しく思います。選定された論文は2015年3月に筑波大学に提出した学位論文「A Geographical Study of Tourism's Impact on the Spatial Restructuring of Mount Hiei(ツーリズムによる比叡山の再編に関する地理学的研究)」の一部を構成するものです。学位論文では戦前から戦後期における比叡山とツーリズムの関係を、延暦寺側の実践を通して体系的に明らかにしました。
 選定論文は、昭和初期に大津市側の山麓から比叡山上に敷設されたケーブルカーの建設過程および開業後の山上の変化に対する延暦寺の対応を、叡山文庫(資料館)所蔵の一次資料にもとづき詳細に分析したものです。鉄道開業は参詣者の増加をもたらしますが、一方で収容能力を超過した来訪は、宗教施設の破壊や宗教的雰囲気の低下といった負のインパクトも生じさせます。こうした状況に対し延暦寺はどのように対応し、具体的な対策を講じたのか、いわば「聖と俗のバランス」をどう調整しようとしたのか、について明らかにしました。現在、比叡山は訪日外国人を含め年間約70万人が訪れる一大観光地となっています。京都や滋賀へお越しの際は、ぜひケーブルカー(今も運行しています)で山上まで上り、比叡山を満喫していただければと思います。

*同学会は鉄道史の学術的発展に寄与し、会員の研究活動の振興および相互の親睦を目的に1983年に設立された学会であり、毎年研究大会と例会、学会誌『鉄道史学』の発行等の活動が行われています。2010年に創設された住田奨励賞は「論文の部」、「図書の部」、「特別賞の部(展示・企画等)」の3部門からなり、前2者は鉄道を中心とした近代交通史に関する研究の中でとくに優れた業績をあげた者に授与されるものです。本年度の「論文の部」は、2013年1月から2015年12月に発表された論文約90点の中で、卯田准教授が執筆した「比叡山への鋼索鉄道建設における延暦寺の動向」(『交通史研究』第84号、2014年12月)と「比叡山における鉄道敷設と延暦寺」(『歴史地理学』第57巻第3号、2015年6月)の2編が選定されました。

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