沖縄の公立大学 名桜大学(沖縄県名護市)

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文学を通して日本とベトナムをつなぐ架け橋に

掲載日:2013年10月15日活躍する卒業生

夢を実現するためのアドバイスを後輩に送る
文学を通して日本とベトナムをつなぐ架け橋に


名桜大学 大学院国際文化研究科 修士課程修了生(2003年度卒)

グュゥエン・ド・アン・ニェンさん 

 本学総合研究所自主研究員グュゥエン・ド・アン・ニェンさんがベトナム語訳した樋口一葉の「たけくらべ」ほか3編(にごりえ・十三夜・闇桜)が、平成25年8月にベトナムで出版されました。樋口一葉の作品がベトナム語に翻訳されるのは初めてとのこと。また、日本ベトナム国交樹立四十周年記念・枯葉剤被害者支援企画「ベトナム独立・自由・鎮魂詩集」のベトナム語から日本語への翻訳(共訳)も手がけました。翻訳作業に携わったニェンさんにお話を聞きました。

ニェンさんの声

 旧仮名遣いで書かれている樋口一葉の作品を、現代語訳版や英語訳版を用いて読み解き、ベトナム語に翻訳することはとても難しく大変な作業でした。とりわけ苦労したのが、物語に描かれている景色や風情等を表現すること。実際に現地へ赴き、直接肌で感じ取り、深みのある表現を求めました。日本を代表する作家の作品をベトナムに伝えていける喜びを感じ、これまでの学びを実践に活かす機会に恵まれたと思います。
 詩集の翻訳については、ベトナムの詩を日本語で表現することの難しさを感じました。戦争を文学で読むことは知的な取り組みです。その一端に触れられることができた貴重な体験でした。この詩集がベトナムと日本の友好の架け橋となり、互いの関係がより深いものになれるのではないかと思っています。
 次は、日本昔話を共訳で出版する予定です。他にも、沖縄の昔話を翻訳しベトナムに紹介していきたいです。


プロフィール

1997年 9月 ベトナム国家大学ホーチミン市人文社会科学大学から国費留学生として、名桜大学国際文化学科で学ぶ

1998年 8月 留学期間を終了し帰国。ベトナム国家大学ホーチミン市人文社会科学大学卒業

2001年10月 日本国際交流基金の助成を受け、名桜大学大学院国際文化研究科言語文化教育研究領域へ進学

2003年 9月 国際文化研究科修士課程修了 

2003年 10月 大阪府国際児童文学館の外国人客員研究員として宮沢賢治の研究を行う

2004年 3月 帰国

2011年 9月 来沖。名桜大学総合研究所自主研究員(~2013.8月現在)

宮沢賢治の「銀河鉄道の夜」ほか3編(2002年4月)、「風の又三郎」(2007年6月)、
夏目漱石の「夢十夜」ほか3編(2007年6月)のベトナム語訳も手掛けており、それぞれベトナムで出版されています。


瀬名波学長に本が出版されたことを報告しに訪れたニェンさん

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